和食器・作家のうつわの特徴

和食器や作家もののうつわを見ると、よく見ると一つ一つに表情の違いを感じることができます。

ほくろのように鉄粉がとんでいたり、絵付けがすこしかすれていたり。

たとえ一人の作家の同じお皿であっても、一枚ずつ微妙に味わいが違うのです。

でもこれこそが量産品にはない、手仕事のうつわの特徴であり魅力です。

ここでは、そうしたうつわによく見られる特徴をご紹介していきます。

貫入

はなクラフト 墨入貫入 輪花皿

陶磁器の表面に入る模様のようなヒビのことを貫入といいます。

基本的に陶器はベースとなる素地(土)に釉薬を掛け、窯に入れて焼いて作ります。

その際釉薬は溶けてガラスのような層となって素地を覆います。

焼かれた後に陶器自体の温度が下がっていきますが、その時の収縮度が素地と釉薬との間で違うので、この差が大きいと釉薬がひびのような状態になって固まります。

これが貫入です。

これは素地が割れてできるヒビとは異なるため、そこから汁漏れしたり割れたりすることはありませんので、安心してお使いいただけます。

お写真のものは、貫入を模様として出しているものになります。

逆に、経年貫入といってうつわを使い続けているうちに自然に貫入が入ることもあります。

それは温かい料理が入ることでうつわが温まり、土の膨張が起こることが原因です。

土のうつわ(陶器)は粒子が粗く膨張率が高いので、貫入が入りやすい傾向にあります。

貫入には油や料理の色が染みていくため、使っているうちにうつわの表情が変わっていきますが、それこそが手仕事のうつわの持ち味といえます。

ジーンズの色落ちなんかに感覚としては似ているかもしれません。

どんどん使うことによって、自分だけのうつわに育てるたのしみがあるのです。

ピンホール

粉引 手付き小鉢 陶器 庄司理恵

素焼きをしたとき素地に残った有機物(ホコリなど)が、焼成後に小さな穴として残る場合があります。

※写真の取っ手のある所にある黒い点などがそうです。

これも手づくりの工程を経てこそ生じる、うつわのひとつの表情です。

鉄粉

わら灰 オーバル皿 陶器 庄司理恵

陶器を焼く際に、陶土にもともと含まれている鉄分が窯の中で焼かれることによって酸化し、それが黒点となってうつわの表面に出ている状態が鉄粉です。

鉄粉の出やすい粗めの土を使い、土そのものの質感や風合いを大切にしている作家さんに多く見受けられます。

ちなみに、量産品のうつわの場合、土の段階で精製などによって、鉄分が除去された粘土を使っているので、鉄粉はあまり出ません。

釉薬のムラ

印花マグカップ 灰 陶器 武曽健一

釉薬は、手作業でひとつひとつ丁寧にかけられています。

そのため、釉薬のかかり方が均一でない場合がありますが、品質に問題はありません。

釉薬の流れた跡や釉薬溜まりも、昔からうつわの「景色」として鑑賞の対象とされています。

にじみ、かすれ

豆皿 鉄線 陶器 村田亜希

印花(型を作品に押して模様をつける技法のこと)や印判手(ゴム印に絵具をつけて押印する方法等)、染付などでうつわに模様や絵付けを施す際に、作業時の力のかかり具合や焼成時の要因などにより、生じる、にじみやかすれを指します。

かすれや濃淡がある方がうつわの表情が豊かになることもあり、あえて出す場合が多くあります。

御本手

きなり リム5.5寸皿 陶器 古谷製陶所

画像のような淡いピンク色の斑点のことを御本手といいます。

このピンクは絵の具や釉薬にある顔料によるものではなく、還元焼成によって現れる現象のひとつです。

この御本手(ゴホンテ)の名前の由来は、安土桃山時代から、江戸初期にかけて日本で大人気だった高麗茶碗、(赤い斑点があるお茶碗)を御手本としたところからきているそうです。

模様は狙って出せるものではなく、一つとして同じものが出せないためそのうつわの個性となります。

このように人の手によって生み出されたうつわには、内的要因(土の状態や窯の中での変化)や外的要因(気温、湿度など)によって、うつわの表面にさまざまな変化が生じます。

ここで紹介した特徴を経て、うつわは他に一つとない、唯一のうつわとなるため、日本では昔から、その「うつわの持ち味」を楽しんできました。

手仕事のうつわを手にしたらどんな特徴をもっているのか、じっくり眺めてみるのも楽しみの一つです。

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