今回は、酒器についてご紹介します。
酒器にはどんな種類があるのか、その歴史や選び方、おすすめ商品まで幅広くお伝えしますよ!
日本酒を飲んでみたいけど、どんなうつわがいいの?
プレゼントで酒器を贈りたいけど、何を選んでいいか分からない…
そんな方はこの記事を参考に、とっておきの酒器を見つけてみませんか。
先にどんな商品があるのか見てみたい!という方は、こちらからご覧ください。
目次
知っていると楽しい!酒器の選び方
サイズ(容量・口径)で選ぶ
酒器は深さ(容量)や口径で味が変わります。
ご自分が好きなお酒に合ったものを選ぶといいですね。
・小さめのもの
容量が少ない小さな酒器は、お酒の温度が変わる前に飲みきれるので、一番美味しいと感じることができます。
そのため、冷酒は小さな酒器で冷たいまま飲むのがおすすめ。
大きなうつわにするとぬるくなり、キリッとした冷酒の風味がなくなってしまいます。
・大きめのもの
熱燗(あつかん)など、温度が段々と下がっていく味の変化を楽しみたいなら、大ぶりの酒器もいいですよ。
・口径の大きさで香りの変化を楽しむ
お酒は、表面積によって香りの立ちやすさが変わるので、酒器の口径が違うと、香りが変化します。
口径が広ければ、ふわっと広がる香りを強く感じるので、香りを楽しみたい方は広いものを選ぶといいでしょう。
形で選ぶ
お椀型
胴体に丸みのあるお椀型の酒器は、王道のフォルム。
味や香りがほどよく楽しめるため、さまざまな銘柄を味わうのに適しています。
ラッパ型
飲み口が上に広がった形状のラッパ型。
口径が広いため、香りが空気中に広がりやすく、香りを楽しみたい場合に向いています。
また、ちょっとした前菜などを盛り付けて、食器として使うこともできます。
つぼみ型
つぼみ型は、胴が丸く、飲み口にかけてすぼまっています。
すぼまっている部分に空気がたまりやすく、口をつけると強い香りを感じます。
濃厚な香りを楽しみたい場合におすすめです。
ストレート型
ストレート型は、胴から飲み口にかけて真っすぐな形状のもの。
飲み口が狭く、鼻までの距離が離れているため、他の形に比べると香りを感じにくいです。
ただし、スッキリとした感覚で飲むことができるのがメリット。
癖のある香りのお酒なら、香りがマイルドになり飲みやすくなります。
素材で選ぶ
・陶器
陶器は、日本酒の味をやわらかくしてくれます。
厚みもあるため、口当たりや手ざわりの良さも特徴。
熱伝導率が低く、熱しにくく冷めにくいため、特に熱燗には向いています。
・ガラス
無味無臭なガラスは、日本酒の味わいをダイレクトに感じ取ることができます。
また、薄いものは、シャープな大吟醸酒、濃厚なにごり酒は厚めのものなど、厚さによる味の違いも楽しめます。
近年は、ワイングラスで日本酒を味わうことが広まっています。
色や香りを楽しめるので、日本酒専用のワイングラスも販売されています。
スパークリング日本酒を飲む際は、泡が立ち上っていく様子を見ることができ、目でも楽しむことができますよ。
・漆器
軽くて持ち上げやすく、口当たりが良いため酒器に向いています。
また、保温性に優れているので冷めにくいのも特徴。
高級感があるため、お祝い事などに使われることが多いです。
使うほどに艶が出て、経年の変化を楽しむことができます。
・木
木の香りがほのかに感じられ、日本酒の旨味や香りが引き立ちます。
軽くて口当たりが良く、温かみのある素朴な質感も魅力です。
升はスギやヒノキでできたものが多く、木と日本酒の香りが混ざった味わいを楽しめます。
・錫(すず)
錫(すず)は、分子構造が粗いため、日本酒の雑味を分解して味をまるくするといわれています。
錫の酒器でお燗をすると、口あたりがまろやかになり、よりおいしく味わうことができます。
熱伝導率が高いので、温かいままゆっくりと味わいたい時に向いています。
短時間で温まるので、熱燗の際、お酒の香りを飛ばさずに温めることができるのもメリット。しかし、その分冷めるのも早いため、飲む際には小さめの酒器を選ぶのがいいですね。
悩んだらこれがおすすめ!
【3点セット】酒器 稲白 磁器 美濃焼
徳利と猪口、小皿の3点セット。
お酒とおつまみを味わえる酒器セットがあれば、毎日の晩酌が楽しみになりますね。
ギフトボックス入りなので、プレゼントにも最適です。
あたたかみのあるベージュがかった白いうつわは、ほかのうつわとの相性も抜群。
ちょっと珍しい形状の徳利は、テーブルのアクセントになります。
一輪挿しとして、飾っておくのも素敵ですね。
また、お猪口はおつまみ用の小鉢や茶器として、
小皿は、茶托や菓子皿など他の使い方をすることもできますよ。
徳利のおすすめ
徳利 古代唐草 磁器 波佐見焼
白磁にブルーの唐草模様が映える、日本酒にふさわしい「和」を感じるうつわ。
日本の家庭によく見られる染付の徳利は、ほかのうつわと相性もよく、食卓になじみやすいです。
容量は一合ほどで、一人呑みにぴったり。
中央が少しくぼんでいるので、注ぐ際に手がぴたっとフィットする使いやすさも魅力です。
また、口が小さくスッキリとしたフォルムは、一輪挿しとしても使えます。
主張しすぎないデザインなので、ドライフラワーなど洋風のお花もあいますよ。
徳利 紫 七宝 磁器 波佐見焼
ひょうたんのような可愛らしいフォルムの徳利。
上部の七宝模様と、下部の青いラインがいいアクセントになっています。
中央がぎゅっとくびれているので、手に持った際に安定感があります。
おそろいの盃と合わせれば、和モダンなテーブルコーディネートが楽しめます。
七宝模様は、円満やご縁を意味する縁起の良い柄なので、お正月などのハレの日に使うのもいいですよ。南天など、お花を挿すのも素敵です。
おそろいの盃と合わせて使うのもおすすめです。
片口 呉須赤絵 波佐見焼
表面の大胆な絵付けが華やかな片口。
よく見ると、中央部分がくぼんでおり、指にフィット!
そのため片手でスムーズにお酒を注ぐことができます。
全面に描かれた、赤絵の蝶の絵付けはどれも手描き。
裏面にも模様が描かれており、職人のていねいな手仕事を感じます。
また、片口はソースなど調味料入れや小鉢など、うつわとしても使えます。
お猪口のおすすめ
ぐい呑 粉引鉄散 陶器 信楽焼
シンプルな佇まいのうつわ。
白地に茶色の縁取りがアクセントにきいています。
模様のように見える、黒い点々は鉄粉によるもので、手作りならではの温かみを感じます。
内側が白く、お酒の色も楽しむことができます。
深さがあるので、1つには日本酒を注いで、
もう1つはおつまみ用の小鉢にするのも良さそう。
デザートカップや中国茶の茶器としても使うことができますよ。
内粉引鎬ショット杯 陶器 白華窯 吉永サダム
外側のこげ茶色と、内側の白のコントラストがスタイリッシュなうつわ。
表面に施された縞模様のレリーフは、デザインの美しさだけでなく、手に持ったときのフィット感も抜群。
また、ところどころ釉薬の流れた跡があり、1つとして同じものがない手作りの良さを感じます。
厚みがあるので、熱燗にもぴったりです。
食材を引き立てる落ち着いたトーンの酒器は、小鉢として使うのも良さそう。
ねぶた 盃 ガラス 津軽びいどろ
ねぶたを思わせる鮮やかな色彩のうつわ。
下部に散りばめられたカラフルなガラス粒はビーズのよう。
ガラスの酒器は、お酒の味をそのまま楽しむことができます。
やや厚めなので口当たりがよく、小さめで冷酒を飲みきるのにいいサイズ!
華やかなガラス器は、おつまみや前菜を盛り付けて小鉢としても使えます。
コンパクトで色々な使い方ができるので、いくつかあると便利ですよ。
酒器の主な種類
酒器とは、日本酒を飲む、注ぐための容器の総称で、以下のようなものがあります。
お猪口
本来は料理を盛りつけるうつわでしたが、江戸時代から酒器として使われるようになりました。徳利とセットで使われることが多く、1口で飲み干せるサイズが一般的。
猪口は、ちょっとしたもの表す「ちょく」や、飾り気のない安直なことを意味する「直(ちょく)」が語源とされています。
ぐい呑み
お猪口より大きなサイズのものが一般的で、湯呑み程度の大きさのものもあります。
「ぐいぐい呑める」や「ぐいっとつかんで呑める」が語源とされています。
盃(さかずき)
神事などの儀式でも使われる伝統的な酒器で、口が朝顔状の形で小さめ。
うつわとしても使われていました。
お正月のお屠蘇、神前式の三々九度や賜杯などにも用いられています。
徳利(とっくり)
盃にお酒を注ぐための酒器。首が細く、胴体が膨らんだ形状が特徴です。
注いだ時に「とくとく」という音がすることからその名が付いたと言われています。
もとは、醤油や酢などの貯蔵や運搬に使っていたため大きなものもありましたが、現在は1~2合(180~360ml)程度の容量が主流です。
片口(かたくち)
盃にお酒を注ぐための容器で、口縁の片側に注ぎ口があります。
その歴史は古く、縄文土器や弥生土器の壺や鉢にも見られます。
現在では、ソースなどの調味料入れや小鉢、花器として使うこともあります。
ちろり
取手と注ぎ口が付いた筒型の酒器で、日本酒を温めるために使います。
銅や錫(すず)など金属製のものが多く、熱伝導率が高いのが特徴。
温めたお酒をそのまま注ぐことができる、使いやすさも魅力です。
銚子(ちょうし)
お酒を盃に注ぐための容器。木製や金属製で、長い柄が付いています。
神前式の三々九度などあらたまった酒宴で使われます。
酒器の歴史
○奈良時代
須恵器が日常的に使われ、お酒を飲むためのうつわを坏(つき)、または酒坏(さかづき)と呼ぶようになりました。
○平安時代
平安時代になると、木製の漆器の杯、特に朱塗りのものが広まりました。
宮廷では華やかな陶器の杯も使われるようになりました。
○鎌倉時代~江戸時代
鎌倉時代には、製陶技術が発展。日本六古窯(瀬戸、常滑、信楽、丹波、備前、越後)の各産地で酒器が盛んに作られるようになりました。
安土桃山時代は茶の湯が流行。
茶懐石の際、武士が向付(小鉢)で酒を飲み始めたのがぐい呑みの起源とされています。
江戸時代には、日本酒の種類により酒器の大きさが変化します。
初期は、アルコール度数の低い「どぶろく」が飲まれ、容量の多い直径10cmほどの向付を使用。
アルコール度数の高い清酒が広まると、江戸中期には7.5cm程度の向付、後期には4.5cm程度の猪口というように、酒器の口径が小さくなりました。
○明治時代以降
明治時代になると、各地の酒器を茶人や実業家が収集するようになり、大ぶりで深めのものを「ぐい呑み」と呼ぶようになります。
昭和時代は、戦後の物資不足から、日本酒造りが低価格・大量生産に変化。
それに伴い、安価な酒器やプラスチックの升など簡易的な製品が作られます。
一方で、1970年以降、高品質な日本酒を作家物の酒器や骨董で味わう文化が出現します。
酒器を使ったテーブルコーディネート
ハレの日のテーブルコーディネート
七宝模様の酒器セットと色絵のお皿の組み合わせは、お正月などのお祝いの席にふさわしいコーディネートです。
酒器がシンプルなので、華やかな柄物のうつわがより引き立ちます。
また、酒器セットをお盆にまとめることで、おもてなしもしやすくなります。
すぐにまねできるアイデアですね。
赤絵のうつわで統一した、華やかなテーブルコーディネート。
取り皿は不老長寿を表す菊の形、箸置きは縁起の良い瓢箪型のものを使っています。
縁起物ずくめのテーブルは、新年や親戚の集まりなどハレの日にぴったりです。
片口には、お正月ならお屠蘇を入れて楽しむのもよし、
クリスマスならサラダ用のドレッシング入れなどに使うのもいいですよ。
晩酌を楽しむテーブルコーディネート
和定食とともに晩酌を楽しむテーブルコーディネートです。
柄物のうつわがたくさんあるのにまとまっているのは、青という共通カラーがあるから。
柄物同士を組み合わせたい場合、どれか1色共通する色があるものを選ぶと統一感のある食卓になりますよ。
特に青系の食器は多いので、青が入っているうつわでいろいろ組み合わせてみましょう。
ベストの組み合わせが見つかると、急な来客でもうつわ選びで迷いません。
大皿に少しずつおかずを盛り付けた、ワンプレートおつまみと日本酒と楽しむ食卓です。
白と茶を基調とした、シンプルながらあたたかみのあるテーブルコーディネート。
うつわの作り手さんはバラバラですが、すべて陶器で同じ色味であわせることで、まとまりのある食卓になっています。
素材や色などで、共通点のあるものを組み合わせると、統一感が出ます。
ぜひ試してみて下さい。
お酒が飲めなくても欲しい!酒器を使って食事をもっと楽しもう
酒器には、用途によってさまざまな種類があるのがお分かりいただけましたか?
さらに、大きさや形、素材によって味や香りの変化を楽しむことができます。
また、深さがありデザインや形のバリエーションが豊富なので、
うつわとして使える便利なアイテムでもあります。
お酒好きな方は、よりよい1杯を求めて、
お酒が飲めない方は、食卓のアクセントやおもてなし用にとっておきの酒器を選んでみませんか。
今回ご紹介したお箸は、こちらのページからご覧いただけます。
最後までご覧いただきありがとうございました。
皆さんがお気に入りのうつわと一緒に、すてきな時間を過ごせますように。