今回は、「砥部焼の里」と呼ばれている「森陶房」の森ご夫婦を訪ねて愛媛県砥部町へ。
約240年の歴史がある国の伝統工芸品の砥部焼。世代交代を経て、昔ながらの良さを残しつつ、近年では個性豊かな作品が増えています。
森陶房さんの工房を見せていただいた後は、ゆっくりとドライブをしながら、春野あじさい街道で色とりどりの花のある風景を楽しみました。
高知市から砥部町へ車でレッツドライブ!
梅雨のお出かけ、森陶房へ向かう当日はてっきり雨が降ると思っていました。
朝起きてびっくり!お天気になり、まさかのドライブ日和。
いつもより大きめのアイスコーヒーMサイズを調達して、いざ出発!
高知市から砥部町まで約120㎞。車だと時間にして、2時間30分程で到着します。
途中、美味しいお土産も購入したかったので、国道33号線を通りのんびりドライブを楽しむことにしました。
越知町で甘味のお土産
イベントで焼菓子を購入したことがある「焼菓子 G」。高知市からは、車で1時間弱かかります。
せっかく近くを通るならと、自分用のお土産を買うためにちょっと寄り道。
「焼菓子G」の場所は、越知町役場から徒歩1分。昔ながらの商店街を少し歩いたところに、小さくておしゃれな店舗があります。
焼菓子をはじめ、季節によりマフィンやケーキなどを販売。
「まちのお菓子屋」さんと、紹介されているだけあり、当日もオープンと同時に徒歩で買いに来られている人も。
甘さ控えめで作られているので、飽きることなくお菓子を楽しめます。
今回私は、5種類のクッキーセットを購入。帰宅後少し濃いめのコーヒーを淹れて、一緒に頂きました。
間違いのない美味しさです。次はベイクドチーズケーキが食べてみたくなりました。
地元で愛されている食堂ちとせで、まんぷく昼ごはん
越知町から、1時間40分位で砥部町に入りました。
そろそろお昼ごはんを食べたいと思い、砥部町にある「食堂ちとせ」へ入ることに。
食堂と言うだけあってリーズナブルな価格なうえに、お得感たっぷりの山盛りサイズ。
ごはんは小ライスに変更してもらったのですが、なんせ大きい唐揚げが4個も!
気になるお味ですが、唐揚げの味はしっかり旨味があり、さらに熱々でジューシー。
とても美味しかったです。
お味噌汁も出汁がしっかりと効いていて、ほっこり落ち着きます。
大満足で、全部ぺろりと平らげました。
いよいよ、森陶房へ!
満腹になったところで、いよいよ森陶房さんへ。国道から少し入った住宅街に、窯元とアトリエがあります。
3代目の森光太郎さん、香織さん夫婦。
森陶房さんは可愛い絵付けと、伝統的な砥部焼の丈夫さを残しながら、できるだけ軽く作られています。
そのため、扱いやすく日常使いにはぴったりのうつわですね。
店内に入るとフランスのアンティークの家具や建具、昔から家にあった日本の家具を組み合わせ、センス良くディスプレイされているうつわたち。
どこか懐かしくもあり、新しくもあるため、とても新鮮な空間です。
森陶房さんのうつわは観賞用ではなく、日常の暮らしで気軽に使って欲しいと願いを込められています。
そのため、どのうつわを手に取っても「あたたかみ」を感じます。
こちらは、天日で乾燥させた後、素焼きしたものです。
ご主人が丁寧に成形した素地を乾燥し素焼きした後、ひとつひとつ奥様が手描きで素敵な絵付けをしていきます。
顔料は乳鉢と乳棒で擦ることもありますが、沢山擦る場合などはこのように専用の機械を使います。
ブルーに発色する呉須という顔料は白磁にも映え素地との付きもよいのが特徴です。
森陶房さんでは呉須以外にもさまざまな顔料を使用していますが、どれもオリジナルに調合したもので絵付けしており、個性が際立ちます。
絵付けの仕事はとても繊細な作業です。
小さなほこりもピンホールなどの原因となったり、顔料がうまく筆からおりてこなかったりするので神経を使います。
また、ハンドクリームなどは油分があり、顔料を弾いてしまうので使えないとのこと。
手荒れの気になる季節は大変です。
森陶房さんで特に人気のうつわは、繊細なタッチで描かれた「バレリーナ」や「こけし」のKAORIシリーズ。
箸置きのなどのちいさなものから、オーダーで手洗い鉢など大きなうつわも制作しています。
ひとつひとつ、手描きで少しずつ表情も異なるためシリーズでコレクションするのもいいですね。
また、平たい面ではなく、湾曲している面に絵付けをするのは至難の業。
細かな絵付けは、集中力を要する繊細な作業になります。
バレリーナの骨書きをしている風景を、実際見せていただきました!
一級技能士の資格を持ち、25年も描き続けているベテランの絵付け師の奥様。
「書くことは毎日しているけど、撮られると緊張する」と奥様がおっしゃっていましたが、さすがベテランなだけあり、動画を撮っていてもさささっと可愛いバレリーナの絵付けを惜しみなく披露してくれました。
こちらは絵付けが終わり、施釉した後のうつわです。
最後の焼成、本焼成を待っています。
約1250℃で20時間かけて焼いていきます。
森陶房さんでは窯場に3基窯が据えてあります。
それぞれの窯で役割は異なりますが、そのうちの1つがこちらのガス窯。
火力の強いブタンガスを使用しているとのことです。
冬場は窯に火を入れると暖かいのですが、夏場は40℃近くなるため、体力勝負です!と笑顔で教えてくれました。
また森陶房のうつわは、和や洋のあらゆる場面でも使えるように制作されています。
シンプルで使いやすいフォルムに、キュートな絵付け。ちいさなお子さまから大人まで、楽しむことができますね。
コロナ禍の影響でお家にて過ごす時間が長くなっています。
うつわと共に少しでも暮らしの時間を楽しんでもらいたい、との願いも森陶房さんのうつわに、込められています。
春野あじさい祭りを見ながら散歩
森陶房さんのうつわを堪能してから、高知市春野町のあじさい街道へ。
約5㎞の水路に面して咲いた、1万本のあじさいを楽しめます。
残念ながら、今年はコロナ禍の影響でイベントは中止されていますが、あじさいは綺麗に咲いていました。
夕方散歩していると、雨が降り出しました。個人的に雨があまり好きではないのですが、あじさいと雨の組み合わせは、風情があっていいですね。
あじさいを堪能してから、車へ乗り込み往復240㎞のちいさな旅の終盤。
自宅まで、太平洋沿いにある高知市にある「花街道」を一直線に走り抜けました。
森陶房さんで作られているうつわから、世代交代をして昔ながらの良さを残しつつ、新しい砥部焼の魅力を再確認できました。
今回ご紹介した、森陶房さんのうつわは、こちらからご覧いただけます。
お気に入りのうつわで、毎日の食卓を楽しめますように。