ハイセンスな街で出会った、アトリエキウトのうつわたち【うつわ巡りの旅vol.7】

うちる編集局スタッフが、全国の窯元さんや作家さんを訪ねる旅行記。
今回は、言わずと知れたハイセンスな街、東京の恵比寿へ。

”シンプルなデザインの中にどこか遊び心がある”

そんなうつわを製作されているアトリエQiuto(キウト)の小出さんを訪ねました。
小出さんにお会いして、実際に作品を見て・触ると、新たな魅力に沢山気がつきましたよ。

広尾駅に到着

ちょうどお昼に広尾駅に到着。
アトリエキウトは広尾駅と恵比寿駅の中間地点にあり、どちらの駅からも歩いて10分弱なので、往路は広尾駅から歩いていく事にしました。

さすが高級住宅街が並ぶセレブの街。歩道は広く街路樹がきれいに整備されています。
歩いていて気持ちがいいです。

途中には、おしゃれなお店がちらほら…

骨董品や雑貨店など、魅惑的なお店についつい寄り道をしそうになってしまいます。

ついにアトリエキウトに到着

閑静な住宅街の中に佇むアトリエキウトに到着しました。

1階は作品の販売所、2~3階はろくろや窯が設置されたアトリエとなっています。
元々は小出さんの祖父母の家だったものをリノベーションして使っているそうです。

1階の販売所には、おしゃれなうつわたちが並んでいます。

どれも、色や形、飾りにエッジが効いていて、シンプルなのに個性的です。
思わず、『素敵!』と声を上げてしまいました。

しかも、持ってみると不思議と手に馴染みます。

この理由は、後ほど小出さんのインタビューで明らかに。

こちらが小出さん(本名 小出麻紀子さん)。
早速、お話しを伺いました。

小出さんが陶芸と出会ったのは、陶芸が好きだった祖父の影響。
最初は趣味の習い事として陶芸を始めたそうです。

本格的にうつわづくりを始めたのは今から約20年前。
『使いやすさ』と『グッとくる見た目』にこだわって、日常生活に馴染むうつわを作成されています。

しかし、うつわづくりを始めた当初は今の作風ではなかったそう。

趣味で作成していた時は、”作ることが楽しい!”という思いで、1点ものの置物などを中心に作品を作られていました。

それが、師匠について練習を積む中でだんだんと変化し、 ”使ってもらう側のニーズを優先する” 作風にチェンジ。

現在の、生活に溶け込んだ普段使いしやすいうつわを作るスタイルになったとか。

新しい作品を生み出すには長期間を要し、試作→改良→試作→改良・・・と何度も繰り返しますが、特に、ちょうどいいサイズにするためのサイズ調整が一番難しいそうです。

小出さんは、建築士の旦那さんと息子さんの3人家族。

試作した時、食卓に試作品のうつわを出し、実際の使い心地を確かめるのだとか。
その時、旦那さんから的確な指摘がはいるそうです。

”使いやすいさ” と “料理がおいしく見えるか” の2点が両立して初めて合格に。手に馴染むうつわたちは、こうやって生まれているのだと感じました。

アイデアや作品の詳細が書かれたメモ帳も見せていただきました。

書き込むことがたくさんあるから、大きめのスケッチブックかと思いきや、手に収まりやすい小さめのノート。
確かに思い付いた時にすぐに取り出して書けますし、すぐ振り返ることもできるなあと納得。

『うつわづくりで一番何が楽しいですか?』とお伺いすると、『お皿の模様を作っているとき』とのお返事が。

実際に模様を掘っているところを見せてもらいましたが、小出さんの手にかかると、あっという間に綺麗な模様が作られていきます。

既に作っているうつわのほかにもチャレンジの幅を広げている小出さん。

最近は、お花屋さん向けに植木鉢なども作成されています。
今後アトリエで一般の方にも購入いただけるようにしていきたいとか。

また、これから挑戦したいのは、土鍋だそうです。
どちらもとても楽しみですね。

素敵な作品を作れるコツはなんですか?』とお聞きしたところ、『日常生活をきちんと送ること』というお返事が返ってきました。

日常生活で使う道具だからこそ、自分自身もその生活を大切に送ることが必要なのですね。
なんか、納得しました。

ちなみに、趣味はサーフィン・温泉・食べること。
また、映画やアート作品を見ることもお好きなのだとか。

小出さんのあたたかなお人柄が、素敵な作品に反映されている気がします。

アトリエ内をご紹介

お話しを伺った後は、アトリエの中を見学させてもらいました。

これは何の機械??と思ったら、こちらは土を伸ばす機械とのこと。

こちらがろくろ。
大きな窓も近くにあるので明るく、気持ちよく作業を進められそうですね。

お皿やコップに模様を施すため使う道具たちも側にありました。

こちらは釉薬で表現できる色のリスト。
加える材料によって色が変わるので、色々と試行錯誤を重ねられているそうです。

たくさんある素敵なカラーバリエーションに思わず目を奪われました。
小出さん曰く、釉薬についてはこれからもっと勉強していきたい分野だとか。

こちらが作品を焼くための窯です。
まさか、恵比寿の真ん中に、ろくろとこんな大きな窯があるなんて・・・ と、驚きました。

実は小出さんは、ご自身の作品作りだけでなく、アトリエで陶芸教室を開いています。
自分の作品作りと陶芸教室の2つの両立は大変かと思いきや、陶芸教室が大変刺激になっていているそうです。

恵比寿という土地柄、生徒さんにはデザイナーさんや呉服屋の方など色々なバックグラウンドを持つ方がいらしゃいます。
教室でのおしゃべりを通して、小出さん自身がとても刺激を受けているそうです。

「恵比寿」にあるアトリエならではの環境だなと感じました。

タコスを食べに「440ブロードウェイ タコショップ」へ

帰りは、恵比寿駅から帰ることに。
小出さんからおすすめのタコス屋さんをお聞きしたので、そこを目指して歩いていきます

歩いている途中に、ベーカリーカフェを発見。
こちら小出さんもたまに利用されるそう。

とても洒落なお花屋さんもありました。

小出さんの作る植木鉢と合わせたら素敵だな~と思いながら横を通ると、普通のお花屋さんでは見られないような、ワイルドフラワーが並んでいました。

こんなおしゃれなお花をプレゼントしたら喜ばれそう。
近くに住んでいたら、絶対に常連になっています。

10分ほど歩いて440ブロードウェイ タコショップに到着しました。

店内に入ると、まるで本場メキシコのような雰囲気にテンションがあがります。
時間はすでに15時近く。
まるで海外のような店内には私1人でした。

お腹ペコペコなところに、具材たっぷりのタコスが運ばれてきました。

ちなみに今回オーダーしたのは一番スタンダードなタイプのタコス。

お味は、さすが小出さんのお墨付き!ピリリと辛いタコスミートにまろやかなチーズとトマトの酸味がマッチして、とっても本格的!

あっという間にペロリと間食してしまいました。
とっても本格的で美味しかったです。

デザートを求めて恵比寿をぶらぶら

お腹も満たされたので、デザートを探しつつ、再度散策ながら恵比寿駅に向かいます。

男性向けのお洋服を揃えたおしゃれなセレクトショップもありました。

こういったハイセンスなショップが町中に溶け込んでいるところに恵比寿らしさを感じます。

お目当てのきんつば専門店の『豆園』さんにお邪魔しました。ショーウィンドウの中には10数点のおいしそうなきんつばが。

きんつばと言えば、小豆のイメージですが、なんとチョコ味やイチゴ味など変わり種もありました!
全種類制覇したくなりますね。

いつもは店内のイートインスペースでお茶と共に食べることもできるそうなのですが、残念ながら今は新型コロナ感染症対策のためお持ち帰りのみでした。

私はサツマイモ味を選びました。

〆は恵比寿神社

最後は恵比寿神社に寄ってみました。

家内安全、無病息災、五穀豊穣に御利益があるとか。

駅から近い恵比寿神社ですが、その周辺は不思議と静かで、自然もあることからちょっとした都会のオアシスのような雰囲気です。

充実した旅になったことのお礼と健康を祈願して恵比寿をあとにしました。

帰宅後の楽しみ

豆園さんで買ったきんつばをコーヒーと一緒に。

上品な甘さで、ほっこりとしたサツマイモの良さが詰まったきんつばでした。

今日は小出さんの素敵なアトリエに始まり、広尾~恵比寿の街をたっぷり楽しみました。

シンプルなデザインの中にどこか遊び心がある小出さんのうつわは、見ているだけでワクワクしましたよ。

その後の恵比寿の街は、この記事では紹介できないほど素敵なお店がたくさんありました。
うつわも街も、ハイセンスが詰まった充実した1日でした。

今回ご紹介した、小出さんのうつわは、こちらからご覧いただけます。

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