こんにちは。今回はうつわ検定についてのご紹介です。
陶器市に行ったり、お気に入りのお店で新作のうつわを手に取ったりする機会が多くなると、
「もっとうつわのことが知りたい。極めたい!」
…と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方に朗報です。
2023年5月18日から、新しい検定資格「うつわ検定®」の申し込みが始まりました。
うつわ検定とは?
「うつわ検定®」は、広告や雑誌、カタログ、テレビCMなどの現場で食器や食卓シーンのスタイリングをするスタイリストを輩出する一般社団法人テーブルウェアスタイリスト連合会(TWSA)が主宰する検定です。
テーブルスタイリングの場面では、どのようなうつわを選ぶのかがとても重要です。
誰もが日々使ううつわを、単に美しくスタイリングするだけでなく、なぜこの場面ではこのうつわがふさわしいのかなど、うつわそのものについてもっと知っていただきたい、という想いから生まれました。
『うつわ検定®公式テキスト 今の時代のうつわ選び』(主婦の友社)では、ライフスタイルに合わせたうつわ選びや、取り扱い方、楽しみ方をわかりやすく解説。
うつわについて学んで理解を深めた後、検定を受けて確認することで、うつわの魅力や有用性をさらに感じていただけます。
検定合格者には、一般社団法人テーブルウェアスタイリスト連合会(TWSA)から検定合格証を発行し、「ホームユースうつわマスター」を名乗ることができます。
*うつわ検定®は登録商標です。
それでは『うつわ検定®公式テキスト 今の時代のうつわ選び』の中身を少しご紹介します。
うつわの分類は「和食器」「洋食器」から「日本うまれ」「海外うまれ」へ
和食器、洋食器。よく聞く言葉ですよね。
かつては、海外の食文化とともに、海外でつくられたうつわも日本に入ってきたことから、「和食器」「洋食器」と分類され、和食か洋食か、食事の内容に合わせて、うつわを選んでいました。
和洋中さまざまな食事をする今の時代は、和食器に洋食を盛りつける、またはその逆などもあり、それらが違和感のない使い方になっています。
同時に、うつわの窯元、メーカー、ブランドの進化した技や、原材料の輸入・輸出も盛んになり、さまざまな国で和食器、洋食器ともにつくられています。
そのような背景もあり、現在では和食器と洋食器の垣根は曖昧なものになりつつあります。
かたちは伝統的な和食器なのに日本の伝統色ではなく、まるで洋食器のようなうつわや、日本のメーカーが商品を企画し、海外の工場でつくられているうつわも多くあります。
扱いに気を使うイメージの強い漆器も、ある国内ブランドは海外向けに、カラフルで積み重ねできる商品をつくっています。
うつわをつくっている窯元を訪ねたときに
「焼き物の原材料である土は私たちの貴重な資源。
日本の土は今、貴重だから最近は海外から土を仕入れてうつわをつくっている窯元もあります。
どこの土を使うかではなく、地球上の土を使う。
みんなの地球の土だから」
と教えてもらいました。
日本と海外の土とを混ぜ合わせてつくられているうつわもあれば、日本の土だけでつくられた焼き物に輸入された釉薬を用いているうつわもあります。
「和食器」「洋食器」から「日本うまれのうつわ」「海外うまれのうつわ」へうつわの分類は変わりつつあるのかもしれませんね。
日本うまれのうつわについて
陶器
陶器の主な原材料は陶土といわれる「土」です。
焼き上がりの温度は1000~1300度となり、釉薬のかけ方や種類、重ねる回数などにより、多様な色や質感が表現されることで、うつわの個性がつくられます。
代表例として萩焼、唐津焼、備前焼などがあります。
日本の陶器は縄文土器にルーツがあるといわれ、世界各地の土器と比べて古い歴史があるんだそう。
うつわ好きさんの中でも陶器、焼き物が人気なのは、そうした歴史が背景にあるのかもしれないですね。
日本生まれの陶器は、昔から日常的に使われる「身近なうつわ」となっています。
土でできているので、乾きづらいなどの難点はありますが、お料理を盛りつけたときの風合いや、独特の手触りなどが、魅力です。
当店でも様々な窯元さんの陶器をお買い物できますが、各地で開催される陶器市で、掘り出し物のうつわとの出会いを探すのもいいですね。
磁器
陶石などを混ぜた磁器土の粘土で成形し、釉薬をかけて1300度以上で焼いたものを「磁器」と言います。
陶器が「土もの」なのに対して磁器は「石もの」ともいわれます。
吸水性はなく、扱いやすいのが特長です。
有田焼、九谷焼、京焼、砥部焼、瀬戸焼などが代表的なものです。
磁器の製造技法は朝鮮半島を経て、日本に伝わったといわれています。
その後、佐賀県有田町で材料となる陶石が発見され、日本初の磁器が誕生しました。
17世紀には、佐賀県伊万里から、日本生まれの磁器に色絵がつけられた色絵磁器が、ヨーロッパへ大量に輸出されたそう。
いわゆる「古伊万里」です。
今では大変希少で高値で売買されています。
いま最も勢いがあるのは長崎県波佐見町で、町が一体となってブランド化している「波佐見焼」ではないでしょうか。
真っ白な素地に鮮やかな絵が際立つ絵付けのうつわが豊富なのも磁器の魅力のひとつです。
まとめ
このように「うつわ」の歴史やちょっとしたうんちくが学べる「うつわ検定」。
気になった方は、受験してみてくださいね。
うつわ検定について詳しくはこちら
うつわ検定HP