パワースポットやカフェ巡りも楽しい、陶芸の町・益子【うつわ巡りの旅VOL.13】

栃木県益子町は、東日本屈指の窯業地。

陶芸の文化に触れるだけでも面白いのですが、益子町には個性的なカフェが点在していて、それぞれのカフェで使用しているカップや器を眺めているだけでも嬉しくなります。

ちょっと足を延ばすと隠れ家的なカフェやギャラリー、そしてパワースポットもたくさん。

益子町へ

朝9時に益子町に到着して、18時半くらいに帰路につく日帰り旅を計画しました。

9:00 益子駅の観光案内所で情報収集
10:00 パワースポット亀岡八幡宮を参拝
11:00 城内坂通りで焼き物探し&カフェ巡り
12:30 Café Funeでランチ
14:00 村田亜希さんの工房へ
15:30 もえぎ本店で村田亜希さんの個展鑑賞
17:30 道の駅ましこでお土産ショッピング

移動は車を利用しました。

● 車で行く場合
東北自動車道の場合 北関東自動車道真岡ICから25分。
常磐自動車道の場合 北関東自動車道桜川筑西ICから20分。

● 電車の場合
JR小山駅で水戸線に乗り換えて下館駅まで26分。下館駅で真岡鐡道に乗り換えて約25分で益子駅着。
※つくばエクスプレス利用の場合は、守谷駅で関東鉄道常総線に乗り換えて下館駅まで62分。
※秋葉原駅から益子駅まで高速バス(毎日運行/最短2時間30分)もあります。

益子駅の観光案内所で情報収集

今回は車で益子を訪れましたが、観光情報などを収集するためにまずは益子駅へ。

ツインタワーと瓦屋根が印象的な益子駅は、焼き物の街の玄関口ならではの斬新なデザイン。
調べてみると「関東の駅百選」に選ばれているそう。

開放的でありながらどこかノスタルジックな雰囲気が絵になります。

駅に立ち寄った目的は「益子町観光協会」で情報収集をするため。
「益子町観光協会」には、職員さんに道案内をしてもらえる対面式カウンターがありますが、スペース中央にある資料コーナーでも十分に情報を収集できます。

今回いただいた資料の中でも特に大活躍したのが「まし子さんとめぐるましこのCafe」というマップ兼ガイドブック。

エリア別におすすめのカフェが地図に落とし込まれていて、裏面には各お店のおすすめコメントやSNSの有無などの情報もあってとっても便利でした。

SNSで話題のパワースポット「亀岡八幡宮」

国道294号線を車で走っていると突如として大きな赤い鳥居が姿を現します。ここが「亀岡八幡宮」の入口。鳥居をくぐって長い参道のその先に本殿があります。

参道の中腹あたりには亀の石像が鎮座しています。
「なで亀」としてSNSで話題になっているパワースポットで、自身の不調を感じる部位をなでると緩和されるといわれています。

たくさんの人に撫でられたであろう、触ってみるととてもすべすべとしています。

長い階段を上った先に本殿がありました。決して大きいお社とはいえませんが、清浄な空気に包まれていて心が洗われるようです。

手水舎をはじめ、本殿を護る警備員のように境内にもたくさんの亀の石像が並んでいます。

時間に余裕があれば参道から境内にいたるまで何体の亀の石像があるのかゆっくり数えてみるのも面白そうです。

城内坂通りで焼き物探し&カフェ巡り

亀岡八幡宮から益子駅方面に戻って、益子町の目抜き通りである城内坂通りを散策しました。

益子駅から徒歩の場合は15分ほど、車の場合は坂の裏手辺りに位置する「益子陶芸美術館 陶芸メッセ・益子」の駐車場を無料で利用できます。

城内坂通りには、目利きの店主がセレクトした器を販売するお店が軒を並べ、中には店内だけでなく店頭に商品を展示するところも。
工房を併設したお店ではオリジナルの作品に出会うこともできます。

1店1店を丁寧に見て回るだけでも楽しい通りです。

城内坂通りは、カフェが多いことでも有名です。

窯元がカフェを運営するところが多く、まるでギャラリーのように器を間近に眺めながら一服することもできますし、その窯元で作った器やカップで食事やコーヒーを楽しむこともできます。

森の中に佇む一軒家「Café Fune」で絶品ランチ

城内坂通り沿いだけで10軒以上、その裏手にあたる益子参考館前通り沿いも含めるとこの一帯だけで20軒以上はあるカフェ。

どれにしようか迷っている間にお腹が空いてしまいますので、どんなカフェで過ごしたいか事前の予習が必須です。

ちなみに私は“ずる”をして、このあとにお邪魔する陶芸作家の村田亜希さんにおすすめを伺っていたので、悩むことなくそのカフェへ。

益子駅から車で15分ほど行くと民家が点在するのどかな雰囲気が広がります。

そんな中にあるのが「Café Fune」。
民家をカフェにリフォームしたような佇まいが素敵です。

ランチメニューは、冬季限定の「温ふうめん」(1650円)と「フーネプレート」(1650円)から選べます。

悩んだ末に私が選んだのは「フーネプレート」。
いろんな料理がちょっとずつ楽しめる人気メニューです。

最初に通されたサラダは、エビやイカも入ってボリュームたっぷり。
 サラダのみずみずしさを表現したような透明感のある器も素敵です。

牛乳とコンソメで炊いた白菜スープの器は、まるで抹茶椀のような品の良さ。

メインのプレートは、大きな器に鶏もも肉のソテーとオードブル、あつあつのパン(ライスにもできます)がのっています。

フランス料理のミニコースのような内容で1650円はかなりお得。
目にも楽しいランチタイムは贅沢なひとときとなりました。

益子町の原風景が目前に広がる、村田亜希さんの工房へ

城内坂通りから少し足を延ばしたところにある村田亜希さんの工房をお邪魔しました。

出迎えてくれたのは、てっぷりとしたネコ。
3匹いるという家族の中の末っ子・ちくわちゃんです。

それにしても、ちくわちゃん、初めて会った気がしないような…。

その答えは、村田さんが淹れてくれたコーヒーで思い出しました。
マグカップに描かれた猫の絵柄、これこそちくわちゃんだったのです。

東京生まれ、東京育ちの村田さんが陶芸の道を歩むことになったのは今から15年前のこと。
会社員時代に訪れた旅先での陶芸体験という運命の経験を経て、益子町の指導所の門を叩きます。

笠間の窯元でさらなる研鑽を重ねて、2010年に独立。
第二の故郷ともいえる益子町に移住して2011年に窯を構え、本格的に作家活動がスタートしました。

村田さんが器を作る上で心がけているのは「気づいたらいつもこの食器を手に取って使っていた」というくらいに日常に欠かせないものになることです。

「誰が作った器だからという作品としてではなく、親しみやすい器になれたら嬉しいです」と村田さんは語ります。

村田さんの作る器すべてにいえることですが、洗う時に表面がつるつるとしているから汚れが落ちやすく、口元に丸みがあるので食べやすい、飲みやすいのも特徴のひとつです。

また、村田さんの器といえば、落ち着いた青色の呉須(ごす)を用いているのが特徴です。

「青い呉須も本当にいろんな種類があるのですが、私はちょっと暗めの青が好みというか、落ち着いてきれいだなと思うんです」と村田さん。

器に絵を描き始めたばかりの頃は「かっこよく描こう」と昔の文献や図録からインスピレーションを得て、和をモチーフにした模様を描いていたそう。

しかし、益子町に移住してからは、工房の目前に広がる風光明媚な景色をぼんやりと眺めていたり、動物に囲まれる生活を過ごしていくうちに、
「かっこつける必要はないんだ、今私が感じるエネルギーを絵で表現すればいいんだ」
と、自然と現在の作風へと繋がっていきました。

取材に訪れたその日、特別に絵付けの様子を見学させてもらいました。

それまでニコニコの笑顔でお話してくださった村田さんがきりっとした表情に。
失敗が許されない作業なので集中力も尋常ではありません。

※今回は取材での緊張もあって、慌てて水を入れすぎて呉須も鉄も発色がかなり薄くなってしまったそうです。

それまでワンワンと鳴いていたもう1匹の家族のわんちゃんも鳴き止むほどの静けさの中でお皿に花が開いていきます。

※普段は手回しろくろにのせて口元に鉄を塗るのですが、他の作業で使用中のため今回は手で回しながら塗っています。

口元の部分は「ベンガラ」という赤色顔料で描いていきます。焼くと褐色のなんともいえない落ち着いた表情になります。

「完璧にできたというのは多分一生ないんだと思います、でもそれがもの作りの面白いところ。より多くのお客様に、村田さんの器は使い勝手がいいわねと喜んでもらえるものを作っていきたいです」

現在の作風にこだわらずに、可能性があるならもっと広げていきたいと村田さんの意欲は、とどまるところを知りません。

そして最後に村田さんより、村田さんのつくる器をお使いいただいている方たちにメッセージをお預かりしています。

「最後に、私の器を選んで使ってくださっているお客様に心から感謝申し上げます。直接お礼を伝えられる機会がないので、今回はこの場をお借りして感謝をお伝えしたいです」

もえぎ本店で村田亜希さんの個展鑑賞

村田さんの作品をもう少し見たいなと思っていたところ、「よかったらもえぎ本店で私の個展を開催しているので、そちらに行ってみてください」とご提案をいただき、喜んで案内された「もえぎ本店」へ。

お世辞にも交通の便が良いとは言えないような場所に「もえぎ本店」はありました。
村田さんが「すごいところにありますよ」とおっしゃっていましたが、その通り、この写真の坂の上、さらにこう配の急な坂の上にお店があります。

小高い丘の上にあって建物からの見晴らしは抜群です。

店内に入ってすぐ右側に村田さんの個展スペースがありました。

村田さんの代名詞である呉須の色合いが美しい作品がたくさん。

「新しい自分の作品」という言葉通り、新作も盛りだくさんでお皿いっぱいに描かれた絵柄には躍動感があります。とても気に入ったこの器を購入させていただきました。

作品として飾っておきたいけれど、村田さんの想いを受け止めて、日常使いのお皿のひとつに。

道の駅ましこで見つけたおいしいお土産&益子のソウルフード

益子の旅を存分に楽しんだ後は、お土産ショッピング。
益子駅から車で10分ほどの場所にある「道の駅ましこ」は、地元野菜や加工食品、楽しいグッズもたくさん取り扱っている絶好のスポットです。

木のぬくもりに満ちた店内は広々としています。
写真は「ましこのマルシェ」というコーナーで、新鮮な季節の農産物をはじめ、旬の地元食材を使ったピクルスやジャムなどの加工品も揃っています。

おしゃれなお土産としておすすめなのが「フルーツグラノーラ」(370円)。
益子産のとちおとめのセミドライとさくさくのシリアル、もちもちのマシュマロの食感にハマります。

ユニークかつおいしいB級的なお土産にするなら、学校給食の人気献立である「そぼろぱん」(140円)をぜひ。
益子のソウルフードは、どこか懐かしい味わいでほっこりしちゃいます。

アートなお土産なら益子町在住の絵本作家・いわむらかずおさんの代表作である14ひきシリーズのポストカードを。

益子町の里山を舞台に描かれているので旅の思い出にもぴったりです。

次はまた春に。色彩豊かな益子の原風景を楽しみに。

ところどころに雪が残る冬の季節に訪れた益子でしたが、寒いからこそ一杯のコーヒーの温かさが心身に染みわたり、木漏れ日の美しさが印象的でした。

菜の花や桜咲く春の季節はまた違う益子の表情が楽しめるそうです。

だからまたやってきます、益子の原風景を楽しみに。
春の食卓に合う器探しとともに。

今回ご紹介した村田亜希さんのうつわは、こちらからご覧いただけます。

村田亜希 一覧ページ

お気に入りのうつわで、毎日の食卓を楽しめますように。

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