【うつわを買う時に知っておきたいこと】

1.うつわの基本用語

このページでは、うつわを買おう!と思ったときに、お店でよく目にする用語ついてご紹介します。

「陶器、磁器、寸…言葉がたくさん並んでいて、どんな意味かわからなくて困った…」
「お手入れ方法に目止めって書いてあるけど何のこと?」

和食器自体は、さほど難しいものでもないのですが、和食器を買おうと思うと、これらの用語にどうしてもぶつかってしまいます。

そこで、『知っているとお買い物がしやすくなる』うつわの基本用語を3つとうつわの世界観についてご紹介します。

これさえ知っておけば、お買い物がスムーズに、より楽しくなると思いますので、ぜひ覚えてみてくださいね。

   

1.陶器と磁器

陶器



粉引削り取皿 陶器 美濃焼

陶器は主に、土で出来たうつわのことで、素朴であたたかみのある風合いが特徴です。
焼いたときの色などが少しずつ異なることが多く、同じものはひとつとない、手づくりならではの魅力があります。

古民家風のインテリアが好きだったり、食卓を和の雰囲気にしたいときには、陶器のうつわを選ぶのがおすすめです。


磁器



間取花型深皿 渕錆 青 磁器 波佐見焼

磁器は主に、石で出来たうつわのことで、つるりとした質感が特徴です。
電子レンジや食洗機でも使える丈夫なものが多く、日常使いしやすいうつわです。

モダンなデザインのものも多いので、洋食器や北欧食器との相性も良いです。


ちなみに、陶器と磁器を合わせた半磁器というものもあります。



輪花鉢 M 黒 半磁器 東月窯 久保雅裕

陶器と磁器2つの性質を持つうつわです。
陶器のようなあたたかみのある風合いでありながら、磁器の丈夫さがあります。

   

2.寸

うつわの大きさの単位で、1寸は約3cmを表します。



サイズ選びに困ったら、目安として

5寸皿:約15cmでケーキをのせたり、取皿として使うサイズ




7寸皿:約21cmで、パスタなど1人分のメイン料理に丁度良いサイズ



hapihapi_gohan 様(instagram)より

この2つを覚えておくと、サイズ選びの目安になると思います。

盛りつけたい料理によって、欲しいうつわを探しやすくなりますよ。
うつわのサイズについて詳しく知りたいなと思ったら、こちらのページをご覧ください。
お皿のサイズ】知っておきたい和食器の種類と使い方

   

3.目止め

目止めとは、うつわに油や汚れがつきにくくする為、最初に使う前に米のとぎ汁でうつわを煮沸することです。

「目止め」について、「絶対にしなければいけませんか?」というご質問を頂くことがあります。
私たちスタッフは、ちょっとシミになったり、色がかわったり、使い込むうちに味のある風合いに変わっていく様子も好きなので、目止めはしたり、しなかったり。

粉引のように特にシミになりやすいものや、真っ白い器などは目止めをすることが多いです。

「目止めのために米のとぎ汁を用意するのが少し面倒だな…」
というときは、真水に浸すだけ!という簡単な目止め方法にしてしまいます。
それだけでも、しないよりは汚れなどを防ぐことができますよ。

目止めの方法やお手入れ方法について詳しく知りたい!という方は、こちらで細かくご紹介していますので、ご覧ください。
うつわのお手入れについて


うつわの基本用語について3つご紹介しました。
これだけだったら、何となく頭の片隅にいれておけそうではないでしょうか。
皆さんが商品を見たときに、基本用語を知る前よりもお買い物がしやすくなってくれたらうれしいなと思います。

   

2.うつわがもっと愛おしくなる、「景色」のはなし

ここからは、和食器ならではの世界観や価値観についてお話します。

その世界観とは、『完成したうつわの見た目に違いがある事、使っていくうちに見た目が変わっていく事もすてき!』ということです。

この話を聞いて、私はうつわがより身近に、愛おしく感じるようになったので、ぜひ紹介させてください。

例えば、古道具などが並ぶカフェに行ったとき、お料理が盛ってあるうつわやコーヒーが入ったマグカップに、色ムラやヒビのような模様 が入っていると、

「このうつわお店の雰囲気と合っていて素敵だな〜」
と感じる事はありませんか?






このような特徴は「景色」といい、うつわが作られる過程や使い込むうちに生まれたものです。

もともとは、焼いたら自然にできる仕上がりの差のことでした。
普通、工業製品であれば、同じ材料で同じ作り方をするとまったく同じものができますが、うつわはそうはいかず、少しずつ違うものができます。
むしろ、その差が美しく、日本人の感性は釉薬の流れる様子も鑑賞の対象にした、という話だそうです。

作られる過程でできるものは、釉薬がうつわの側面を流れてできた模様や、表面に入る模様のようなヒビ(貫入)などがあります。






ひとつひとつ、大きさや色味の出方、形が少しずつ異なって、全く同じものがないところが手づくりにしかない面白さだなと思います。

また、古くから「器を育てる」といって、使っているうちに料理の色が染みたりや貫入ができて見た目が変わっていくことを楽しむ文化があります。




真っ青だったデニムが履いているうちにだんだん色落ちしたり、皮のお財布にツヤが出てくると

「使ったな〜!味が出てきて、自分だけのものに育ってきた感覚があるな〜」

と愛おしく感じることはありませんか?

うつわも同じで、どんどんつかうことで自分だけのうつわに育て、その変化を大切にする楽しみがあります。

このようなうつわの特徴について、こちらのページで詳細を記載していますのでよろしければご覧ください。
うつわの特性と、購入の際にご理解いただきたいこと

毎日どんどん使って、味のある《お気に入りのうつわ》で、心ゆたかにおうち時間を過ごしていただけたらうれしいです。

4.おわりに&次回予告

今回は、『知っているとお買い物がしやすくなる』うつわの基本用語を3つとうつわの世界観についてご紹介しました。
次回は、

「作家さんや窯元の『ちょっと良いうつわ』を使ってみたい!と思ったけれど、何を買えばいいのだろう…」
「「使いやすいのはどれだろう…」

と、初めて買ううつわに悩んでいる方に向けて
『まず最初に選んでもらいたいうつわ』についてご紹介します。

はじめてのうつわ選び はこちら

気になる方はぜひ読んでみてくださいね。


 

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