うつわのお手入れについて

うつわのお手入れ方法と聞くと少し難しそうに感じるかもしれません。

しかし、使う前の『ちょっとひと手間』とふだんの洗い方に気を付けるだけで、うつわへの負担をへらすことになります。

ひとつひとつ手づくりのうつわの特性を知っていただき、安心してながくお使いいただけるよう、素材別のお手入れ方法をご紹介します。

*当店では、陶器をお買い上げいただいたお客様には、簡単なお手入れ方法を記載した紙をご一緒にお入れしています。そちらもあわせて参考にしてくださいね。

陶磁器のうつわのお手入れ

電子レンジや食洗機での使用について

【電子レンジ】

あたため程度なら可能なものが多いですが、長時間のご使用は、しみやひび割れなどの原因につながります。

【食器洗浄機】

磁器や半磁器は、基本的に使えますが、薄いものや陶器は、うつわ同士がぶつかると欠けやすい性質があります。

陶磁器は急激な温度変化に弱いため、できるだけ使用を控えてください。

※ご使用OKなものもございます。各商品ページでご確認ください。

電子レンジや食洗機の使用について、もっと詳しく知りたい!という方は、こちらの記事を参考にしてくださいね。

【電子レンジ・食洗機・オーブン】で使えるうつわ、使えないうつわ(和食器)の見分け方

使う前にやること

目止め

うつわには大きく、陶器と磁器があります。

土が粗く吸水性のある陶器については、汚れやにおいをつきにくくしたり水漏れを防ぐため、水に浸したり米や片栗粉などでんぷん質のあるもので、貫入や土の粗い目をふさぐ「目止め」が必要な場合があります。

磁器や半磁器は目止めが不要のものが多く、陶器によっても釉薬や土の種類、焼き締めているものなどは不要なものもあります。

目止めが必要かどうかは、各商品ページをご参照下さい。

ちなみに土鍋はしっかり目止めがされていないと沸騰しにくくなるため、使う前の目止めを必ず行うようにしてください。

目止めの方法

1.ご使用前に、軽く洗ってください。
2.器を鍋に入れ、かぶるくらいまで米のとぎ汁を注ぎ、15分程度弱火で煮沸します。
3.鍋ごと冷まして、器を取り出し、十分に乾かします。

陶器は、粒子が粗く目に見えない小さな穴が無数にあるため、吸水性があります。

その穴を米のとぎ汁の粘りが埋めてくれて衝撃や汚れに強くなり、シミやにおいがつきにくくなります。

「粉引」のうつわなどは、吸水性が高いため、水分を含ませただけで表面にシミのように見えるものが現れる場合がありますが、しっかりと乾かしていただくと、消えます。

煮沸の際、土ものは硬度がなく柔らかいものが多いため、うつわ同士がぶつかったり、衝撃を受けるとと欠けやすい性質があります。

重なったりぶつかったりしないようにしてください。

目止めが少し面倒だなぁ、という場合

簡単なお手入れとして下記方法をお勧めします。

米のとぎ汁、または真水に浸してしばらくつけ置くだけ 

これなら簡単にできそうですよね。

「目止め」について、「絶対にしなければいけませんか?」というご質問を頂くことがあります。

うちる店主はちょっとシミになったり、色がかわったり、使い込むうちに味のある風合いに変わっていく様子も好きなので、目止めはしたり、しなかったり。

でも、「絶対じゃないけど、した方が良いなぁ」とは思っています。

例えば革靴や革のバッグ、せっかく気に入って買ったけれど、雨にあって
雨ジミができてしまったことがあります。

そのときに、ちょっと面倒だけどやっぱり使う前に防水スプレーをしておけば良かったなぁ。

と思ったこと、ありますよね。

陶器も革製品と同じように、水分を含むとシミになりやすい性質があります。

そのため、防水スプレーのようにあらかじめ目止めを行っておくことで、シミや汚れになる可能性を軽減して、状態をキープすることができます。

粉引のように特にシミになりやすいものや、とてもキレイな白い器などは、やっぱりキレイな状態をできるだけながくキープしたいな、と思うので目止めをするようにしています。

料理を盛りつける前に

乾いた器は汁気を吸収しやすくシミの原因になりやすいです。

流水にさらすなど水分を含ませ、かるく拭いてから盛り付けていただくと、シミになりにくくなります。

洗い方

うつわのご使用後は、なるべく早く洗ってしっかり乾燥させてください。

乾燥が不十分だと、カビやにおいの原因となります。

しまうときに

重ねて収納するときは、同じ材質や形のものを重ねるとキズがつきにくくなります。

キッチンペーパーや和紙などを挟むと、傷を防ぎ、水分を吸収してくれます。

カビが生えてしまった場合

梅雨や湿気の多い季節など、特にキッチンや食器棚は湿気が多く要注意です。

カビは、黒いぼんやりとした点々が沢山でてきてしまうような感じです。

うつわ自体には「カビ」の養分はありませんので、うつわに付着した食品の洗い残しが直接の原因です。

カビは、なかなかとるのが難しいですから、まずは”カビさせないこと”が大切です。

カビさせないための、対策は「十分な乾燥」です。

陶器は吸水性があるため、表面は乾いたと思っても吸った水分が取れていませんので、うつわの底面を上にして、重ならない状態で、半日~1日程度乾燥させてください。

カビてしまった場合

もしカビてしまったら、まずは洗って、煮沸消毒をしてみてください。

それでもダメな場合は薄めた漂白剤に浸して、その後しっかりすすぎ、天日干しなどで十分に乾燥させてください。

うつわは吸水性があるため、カビ取り時以外は「漂白剤」のご使用はおすすめしません。

ガラスのうつわのお手入れ

洗い方

うつわ同士がぶつからないようにやさしく洗います。ぬるま湯に中性洗剤をとかし、スポンジなどで力を入れずに洗います。

洗剤をすすいだら、ぬるま湯をくぐらせると水切れがよくなります。

水分を残したまま乾燥するとくもりの原因になります。そのため、洗ったら、吸水性の高い綿、麻布で水気を拭きとりましょう。

洗う際の注意点

・かたい素材のたわしやクレンザーなどの研磨剤入りの洗剤の使用は避けましょう。金彩や絵付けなどがはがれるおそれがあります。アクセサリーなども外してから洗うと傷を防ぐことができますよ。

・グラス類は、ステム(脚の部分)に力がかからないようにします。

・カットグラスはカットの部分をやわらかい歯ブラシやスポンジを使って洗いましょう。

・グラスが重なって離れなくなったら、下側のグラスをお湯につけゆっくり回します。

くもりの取り方

くもりの原因の1つは、水道水に含まれるカルシウム成分といわれています。その場合、クエン酸を使うのが効果的です。

やり方は、水(ぬるま湯)200mlに、クエン酸小さじ1を溶かして、しばらくつけておくだけ。

このほかにもレモン汁や酢、レモンの輪切りに塩をつけて洗う方法もあります。

ワイングラスのお手入れ

ガラス製品の中でも高級なものが多く、形状が特殊なワイングラスは特に取扱に注意が必要です。

洗い方

ワイングラスは繊細で割れやすいので、持ち方に注意が必要です。

まず、ボウルの底を手のひら全体で包むように持ちます。

そして、洗剤をスポンジにとり、グラスの飲み口部分を、外側からを軽くなでるように二、三度往復させます。

ワイングラスの中にはスポンジだけを入れ、スポンジを回転させるように洗います。

すすいだ後は、けば立たないやわらかいふきんや、吸水性のあるキッチンペーパーなどで早めに水気をふき取りましょう。

また、脚(ステム)部分は繊細で、ほんのちょっとの力で割れてしまいます。ふきんに水分を吸わせるつもりで、やさしくおさえる程度にしましょう。

高級なグラスは、ふきんを2枚用意して、グラスに指紋がつかないようにするなど丁寧に扱いましょう。

水気をとったら、台座を下にして立てた状態でしまいましょう。ふせるとくもってしまうことがあります。

赤ワインのくすみの取り方

ワイングラスは底の部分が洗いにくく、使っているうちに底に茶色っぽいシミができたり、くすんでしまうことがあります。

これは主に赤ワインに含まれる成分「アントシアニン」や「タンニン」が原因です。

これらの成分は時間とともに色素が沈着する性質があり、長時間放置すると、シミとなってしまいます。

シミにならないようにするには、一客ずつぬるま湯でさっと汚れをすすいで落としておきましょう。

特に、クリスタルガラスは急激な温度変化に弱いので、必ずぬるま湯で洗ってください。

私はどうしても気になるときは、漂白剤を数滴グラスに垂らし、水を入れて10分程度放置します。グラスの底のシミがすっきりとれますよ。

ただ、漂白剤のにおいが気になるので、しっかりと水ですすぎましょう。

漆器(うるしのうつわ)のお手入れ

使う前にやること

においをとる

新しい漆器は独特のにおいがします。そのため、においが気になるときは、箱から出して風通しの良い日陰に数日間置いておきます。

老舗料亭などでは、半年たってから使うそうです。

また、お米のとぎ汁をあたためたものに少量のお酢を混ぜて拭くという方法もあります。

湯通しをする

いきなり熱いものを入れると木地が変形することがあります。

そのため、新しい漆器は、ぬるま湯で湯通しをしてから使うといいですよ。

洗い方

漆器はお手入れが難しいイメージがありますが、中性洗剤でやわらかいスポンジで洗います。

ただ、他のうつわに比べると柔らかい素材なので、陶器やガラスとは別にして洗うといいでしょう。

洗った後は、布巾で水気をしっかり拭き取ります。その際、重箱の角やお椀の底など、水がたまりやすいところは特に気をつけて拭きましょう。

取扱の注意点

食器洗浄機、乾燥機の使用は避けてください。

洗浄機は洗剤が非常に強いので塗りにはよくありませんし、乾燥機は変形させてしまうことがあります。

極端な乾燥は漆によくありません。そのため、乾燥が強い冷蔵庫に長時間入れるのは避けましょう。

長く使わない場合は、食器棚に少し水の入ったコップなどを置くなどして、乾燥しないようにしてくださいね。

木製のうつわのお手入れ

洗い方

木製のうつわは、乾拭きかよく絞った布巾で拭く程度で、お手入れは簡単。

汚れが気になる場合は、中性洗剤を使ってスポンジ洗いをしましょう。

うるしやウレタンで塗装してあるものは、油や水を弾くので、ふつうに洗うことができます。

水に強いとはいえ、ほかの材質の食器に比べ臭いや汚れなどを吸収しやすいのでつけおきはNG。洗い終えたら布で拭いて乾かしましょう。

また、熱によって木が反ったり、変形する恐れがあります。食洗機、レンジ、オーブンの使用も避けましょう。

表面がかさついてきたら

長く使っているうちに塗装が取れて、表面がガサガサしてくることがあります。そのような場合は、オイルを塗りましょう。

使うオイルは、オリーブオイルなど家庭にあるもので十分。

うつわにオイルを少量たらし、キッチンペーパーなどでふき取るようにして薄く伸ばし、しっかり乾燥させましょう。

もし乾燥状態がひどいようなら、オイルを塗る前にサンドペーパーなどで気になる部分を磨くといいですよ。オイルがしみこみやすくなります。

竹製品のお手入れ

洗い方

から拭き、またはかたく絞った布巾で拭き、直射日光をさけて風通しのよい場所で十分に乾燥させます。

汚れが気になる場合は軽く水洗いをしましょう。竹は自然素材ですので、つけ置き洗いや食洗機などの使用は避けて下さいね。

保管方法

直射日光を避け、風通しの良い場所で保管します。ビニール袋など通気性の悪いものに入れるとカビの原因となりますのでご注意ください。

かごは見せる収納として、フックなどに掛けたりするのもおすすめですよ。

カトラリー・金属食器のお手入れ

洗い方

洗剤は必ず中性洗剤を使用しましょう。
研磨剤の入ったクレンザー、漂白剤は使わないようにしてください。

洗ったら、洗剤を完全にすすぎ、乾いた布で水分を拭きとります。

洗剤が落ちない状態で乾燥すると、銀メッキ仕上げのうつわなどはサビてしまうことがあります。

銀製品のお手入れ方法

変色した銀食器を磨くときは、専用の「銀磨き」を使いしましょう。

柔らかい布などに少量つけて、変色部分を軽くこすると黒ずみが取れます。

模様の凹凸の部分には綿棒などを使うといいですよ。磨いたら、「銀磨き」が残らないように流し、乾拭きをして水気を取ります。

【銀器を変色させるもの】

調味料類、卵・肉・チーズなどのタンパク質、水道水のカルキ、輪ゴムやラップなど生ゴムを使ったもの

真鍮のお手入れ

使い込むにつれて色や質感が変わっていき、経年変化が楽しめるところは真鍮の魅力の一つ。

ただ、黒ずみが濃くなりすぎてしまったり、緑青とよばれる緑色の錆が出てしまったときは、市販の金属磨きクロス、研磨剤を使って磨きましょう。

洗ったあとにしっかりと水気を拭くだけでも、黒ずみや緑青を防ぐことができますよ。

保管と整理について

カトラリーはできるだけ種類別に、温度変化のない乾燥した場所にしまいます。

高温多湿な場所に置くとさびてしまうことがあります。

銀メッキ仕上げ食器は、できるだけ空気に触れないようにしましょう。

直射日光があたらない乾燥した場所に保管をすると、変色を防ぐことができます。

缶などに密閉して保管する場合、乾燥材や脱酸素剤を入れておくと効果的です。

おわりに                                    

今回は、うつわの素材別のお手入れ方法について解説しました。どれも水気をよく拭き取るなど、簡単にできることばかりです。

ちょっとしたことに気を付けるだけで、お気に入りのうつわを長くきれいな状態にキープすることができますよ。

この記事を参考に、うつわのお手入れを見直してみませんか。

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