うつわのお手入れ方法と聞くと少し難しそうに感じるかもしれませんが、使う前の『ちょっとひと手間』がうつわへの負担をへらすことになります。
陶器をお買い上げいただいたお客様には、簡単なお手入れ方法を記載した紙をご一緒にお入れします。
ひとつひとつ手づくりの陶器(土もの)の特性を知っていただき、安心してながくお使いいただけるよう、お手入れ方法などをご紹介します。
目次
目止め(はじめてお使いになる前に)
うつわには大きく、陶器と磁器があります。
土が粗く吸水性のある陶器については、汚れやにおいをつきにくくしたり水漏れを防ぐため、水に浸したり米や片栗粉などでんぷん質のあるもので、貫入や土の粗い目をふさぐ「目止め」が必要な場合があります。
磁器や半磁器は目止めが不要のものが多く、陶器によっても釉薬や土の種類、焼き締めているものなどは不要なものもあります。
目止めが必要かどうかは、各商品ページをご参照下さい。
ちなみに土鍋はしっかり目止めがされていないと沸騰しにくくなるため、使う前の目止めを必ず行うようにしてください。
≪ 目止めの方法 ≫
1.ご使用前に、軽く洗ってください。
2.器を鍋に入れ、かぶるくらいまで米のとぎ汁を注ぎ、15分程度弱火で煮沸します。
3.鍋ごと冷まして、器を取り出し、十分に乾かします。
陶器は、粒子が粗く目に見えない小さな穴が無数にあるため、吸水性があります。
その穴を米のとぎ汁の粘りが埋めてくれて衝撃や汚れに強くなり、シミやにおいがつきにくくなります。
「粉引」のうつわなどは、吸水性が高いため、水分を含ませただけで表面にシミのように見えるものが現れる場合がありますが、しっかりと乾かしていただくと、消えます。
煮沸の際、土ものは硬度がなく柔らかいものが多いため、うつわ同士がぶつかったり、衝撃を受けるとと欠けやすい性質があります。
重なったりぶつかったりしないようにしてください。
目止めが少し面倒だなぁ、という場合
簡単なお手入れとして下記方法をお勧めします。
米のとぎ汁、または真水に浸してしばらくつけ置くだけ
これなら簡単にできそうですよね。
「目止め」について、「絶対にしなければいけませんか?」というご質問を頂くことがあります。
うちる店主はちょっとシミになったり、色がかわったり、使い込むうちに味のある風合いに変わっていく様子も好きなので、目止めはしたり、しなかったり。
でも、「絶対じゃないけど、した方が良いなぁ」とは思っています。
例えば革靴や革のバッグ、せっかく気に入って買ったけれど、雨にあって
雨ジミができてしまったことがあります。
そのときに、ちょっと面倒だけどやっぱり使う前に防水スプレーをしておけば良かったなぁ。
と思ったこと、ありますよね。
陶器も革製品と同じように、水分を含むとシミになりやすい性質があります。
そのため、防水スプレーのようにあらかじめ目止めを行っておくことで、シミや汚れになる可能性を軽減して、状態をキープすることができます。
粉引のように特にシミになりやすいものや、とてもキレイな白い器などは、やっぱりキレイな状態をできるだけながくキープしたいな、と思うので目止めをするようにしています。
料理を盛りつける前に
乾いた器は汁気を吸収しやすくシミの原因になりやすいです。
流水にさらすなど水分を含ませ、かるく拭いてから盛り付けていただくと、シミになりにくくなります。
しまうときに
うつわのご使用後は、なるべく早く洗ってしっかり乾燥させてください。
乾燥が不十分だと、カビやにおいの原因となります。
重ねて収納するときは、同じ材質や形のものを重ねるとキズがつきにくくなります。
キッチンペーパーや和紙などを挟むと、傷を防ぎ、水分を吸収してくれます。
電子レンジや食洗機での使用について
【電子レンジ】
あたため程度なら可能なものが多いですが、長時間のご使用は、しみやひび割れなどの原因につながります。
【食器洗浄機】
磁器や半磁器は、基本的に使えますが、薄いものや陶器は、器同士がぶつかると欠けやすい性質があります。
陶磁器は急激な温度変化に弱いため、できるだけ使用を控えてください。
※ご使用OKなものもございます。各商品ページでご確認ください。
カビが生えてしまった場合
梅雨や湿気の多い季節など、特にキッチンや食器棚は湿気が多く要注意です。
カビは、黒いぼんやりとした点々が沢山でてきてしまうような感じです。
うつわ自体には「カビ」の養分はありませんので、うつわに付着した食品の洗い残しが直接の原因です。
カビは、なかなかとるのが難しいですから、まずは”カビさせないこと”が大切です。
カビさせないための、対策は「十分な乾燥」です。
陶器は吸水性があるため、表面は乾いたと思っても吸った水分が取れていませんので、うつわの底面を上にして、重ならない状態で、半日~1日程度乾燥させてください。
カビてしまった場合
もしカビてしまったら、まずは洗って、煮沸消毒をしてみてください。
それでもダメな場合は薄めた漂白剤に浸して、その後しっかりすすぎ、天日干しなどで十分に乾燥させてください。
うつわは吸水性があるため、カビ取り時以外は「漂白剤」のご使用はおすすめしません。