今回ご紹介するブランドは『東屋』です。
毎日手にするものだからこそ、シンプルでありながら自分をすっと正してくれる。東屋が作る道具は、まさにそんな存在です。
どの道具もシンプルで気品のある佇まいなので、お世話になっている先輩方へのギフトとして選ばれる方も多いです。
今日は『東屋』の中でもブランドの代名詞とも言える商品や静かながら食卓で活躍する道具をご紹介します。
目次
まず手に取りたい東屋の定番中の定番。
豆皿(印判)
東屋の豆皿は、シンプルでありながら食卓で確かな存在感を放つアイテムです。
お漬物、薬味、ちょっとした煮物、くだもの……「こんなものを乗せたらいいかも」のアイデアがたくさん浮かんできます。
かわいくて手に取りやすい豆皿は、種類も豊富で使い勝手もいいのでつい何枚も集めてしまいますよね。東屋にもたくさんの種類の豆皿があります。
東屋の豆皿は、印判と呼ばれる方法で陶器に模様を入れています。「印判」とは、版を素地に転写する製法のこと。手書きのような微妙な「揺れ」が楽しめるのが特徴で、ひとつひとつが味のあるお皿になっています。
シンプルなので、初めて東屋を手にする人にもおすすめしたいうつわです。
豆皿(土灰)
同じく豆皿ですが、シンプルな豆皿もあります。
印判の豆皿とは違って無地でナチュラルでつるりとしています。でも手に取りじっくり見つめると、ふと黒点が見られたり、ぷつぷつを発見したり、ひとつひとつ表情があるところが魅力的です。
お漬物や薬味を乗せたり、お醤油差しに使ったり、使い勝手は抜群。洋食や中華のお料理に合わせてもいいですね。
大皿やトレイの上にちょこんと乗せてもかわいいです。
いろんな豆皿を集めて、その日の気分で手に取ったり、お客様のイメージに合わせて選んだり、ほんのちょっとのわくわくを食卓に演出できるのも豆皿の魅力です。
印判箸置き
東屋の箸置きは、食事の起点と終点のための箸置き。普段箸置きを使わない人でも気軽に使えるようなシンプルで小振りなつくりです。
箸置きに描かれている模様は句読点や終止符などの記述記号をモチーフにデザインされています。
それぞれのネーミングも柄も、とってもユニーク。矢印が連なる『当的〈あたり〉』、終止符の集合体の『豆絞り』、シンプルな一本線の『一本」など、10種類の柄があります。
柄は印判という手法で描かれているので、手書きのような小さな揺れが楽しめます。
小振りながら存在感がありシンプルな東屋の箸置きは、箸置きビギナーにもおすすめです。
上質なお茶を楽しむ茶器
急須
物静かながらも上品な姿の東屋の急須は、「おいしいお茶を、じっくり淹れたい」と思わせてくれる急須です。
烏泥(うでい)という土で作られた急須は使うほどに艶やかさを増してお茶の香りを蓄えます。
「蓋すり」と呼ばれる技法で高い密閉性を高めている蓋部分。本体と同じ陶板で作られている内部の茶こし。そして最後の一滴まで注ぎきる注ぎ口。細部にまでこだわった急須は、最後の一滴までお茶のおいしさをすべて堪能できるようにと考えられている急須です。
急須の持ち手は、これぞ急須という横手と、中国茶器のような後手の2タイプ。
上質で長く使いたくなる東屋の急須の魅力に気づくと、つい他の茶器もそろえたくなってしまうんです。
茶海
潔く、美しい東屋の茶海。
茶海がなくても、お茶は飲めます。でも、よりおいしいお茶を楽しむために持っておきたい道具です。
お茶は注ぐタイミングでどうしても濃度が変わってしまいます。そこで茶海の出番。湯呑に注ぐ前に一度茶海にお茶を移せば、均一の濃さになったお茶をいただくことができます。
また、日本茶は種類によって適温が違います。沸騰したお湯を少し冷ましてから急須に注ぎたいときも茶海の出番です。お湯を茶海に入れて温度を適温に冷ました後、急須にお湯を移すことでお茶のまろやかさをより楽しむことができます。
茶海の口先は、他の部分より薄く作られていて、釉薬も薄く塗られています。そのため湯切れよく、液だれしにくくなっています。
容量は、お茶なら3~4杯程度。お茶の席以外でもお水やコーヒーを注ぐピッチャーとしての役割も担えるアイテムです。
汲出し
シンプルで素朴だから、気兼ねなく使うことができる東屋の汲出し。
ふわりと手で包んだときにも、安心感のあるフォルムです。唇が触れる縁の反りはやわらかく、お茶の風味をおいしく届けてくれます。
シンプルで癖がない汲出しは、探すと意外と見つからないものです。東屋らしい、潔さと美しさが伝わってきます。
お盆
真鍮のお盆は使うにつれて、少しずつ参加して色が鈍くくすんでいきます。でもそれは劣化、とかでは決してなくて。色の変化、使うことでできてしまう汚れや傷さえ風格になっていく、かっこよさが魅力です。
特に銀めっきのものには、「アタリ」と呼ばれる独特の風合いが手や器などがよく触れる部分に表れます。
サイズは直径29cmの大サイズと直径24cmの小の2種類があります。色は金色の真鍮と、銀めっきを施した銀色の2色です。
大きいサイズは、2〜3名のお茶セットにぴったりのサイズです。
お盆の縁の立ち上がりは、職人だからできる『へら絞り』という手法によるもの。『へら』と呼ばれる棒を当てる角度や力加減で、まさに職人の技で、美しい縁は作られます。
土瓶
ぽってりとした、これぞ土瓶というフォルム。
急須で丁寧に淹れたお茶もおいしいけれど、ほうじ茶や番茶を気楽に楽しむことも素敵な日常のワンシーンです。あたたかい雰囲気を持つ土瓶は、家族団らんなど普段の食卓のティータイムにぴったりです。
使い手のことを考えた結果、直火不可の土瓶になりました。代わりに保温性が高く作られているので、日々の団らんに、リラックスタイムに、ゆったりお茶を楽しめます。
普段の食卓に添えたい東屋の道具
木瓜角皿
土灰釉の角皿は、骨董品のような上品さがある器です。ナチュラルで少し青みがかった色味の角皿は、控えめながらお料理を引き立てます。
季節のフルーツを乗せていつものおやつを上品に、お気に入りのケーキを乗せていつもより丁寧に。シンプルなうつわだからこそ表れる気品が木瓜角皿の魅力です。
形は正方形と長方形の2種類。品がよくシンプルなので、来客時にも日常使いもできる一枚です。
姫フォーク
小さくて愛らしい姫フォーク。小振りな姫フォークでいただくと、いつものデザートがとても上品に感じられてしまうから不思議です。
真鍮の色味の美しさと二股の繊細なフォルムは、人の目を引きつける魅力があります。真鍮は使うほどに光沢を失いながらも深みのある色合いへと変化します。
ケーキを食べるには少し小さい印象ですが、羊羹やフルーツなどデザートのほか、オリーブやチーズなどのおつまみとの相性もぴったり。食卓への登場回数も自然と多くなるアイテムです。
コップ
「コップ」と聞いて思い浮かべる形。東屋の目指したコップは、そんなオーソドックスなコップです。
毎日手に取るコップだから神経を尖らせずに使える適度な厚みと安定感のある丸み。それでいて透明度の高い美しいコップは、まさに普通の極みを感じます。
息を吹き込んで成形する「宙吹き」で作られているので、ひとつひとつ形が微妙に異なります。そんな個性も魅力のひとつ。
ガラスの原材料からこだわって作られた透明度抜群のコップは、キンと冷えたドリンクをゴクゴク飲みたい夏にもってこいです。
木箸
東屋は、お箸も凛として美しいのです。木箸に使われている木材のひとつ『黒檀(こくたん)』はピアノの黒鍵や家具にも使われる高級木材で、硬質で耐久性に優れている特徴があります。
日本の食文化のシンボルとも言える箸だから、毎日の食卓にふさわしいシンプルで使いやすいように作られています。天然木の風合いを味わってほしくて、漆の器の本場である輪島の木地職人がひとつひとつ丁寧に磨き無塗装で仕上げました。
側面にわずかに丸みをもたせた太鼓型なので転がりにくく扱いやすい形。手のひらもしっくりと収まります。
食卓を支えるアイテム
バターケース
朝ごはんのたびにバターの箱を取り出して、銀紙を向いてバターを切って……それが面倒で本当はバターを使いたいのにマーガリンを取り出しちゃう。そんなあなたは、バターケースを使ってみてはどうでしょう。
全判サイズは市販のバター200gがまるっと入るので、一度バターを移してしまえば冷蔵庫から取り出して蓋を開ければすぐに使えます。しかも、東屋のバターケースは反りや割れの心配が少ない山桜の木をくり抜いて作られたもの。木材の自然の断熱効果でバターの鮮度も保たれます。
外側も内側も胡桃油で仕上げられています。バターを入れて使うたびに艷が増していく、経年変化も楽しめるバターケースです。
バターナイフ
バターケースとセットで使いたいバターナイフ。東屋のバターナイフは、ステンレスの刃を真鍮の柄で挟み込んだつくりです。そのため、冷蔵庫から出したばかりの硬いバターもすっと切れます。
トーストされたほかほかの食パン、自然な木材のバターケース、凛と美しいバターナイフ。この3つがそろっていれば、朝が楽しみになりそうです。
醤油さし
ころんと丸みを帯びたフォルムにかわいい印象さえ受ける醤油さしは、手にフィットする丸みとなめらかさが心地いいアイテムです。
下を向いたユニークな注ぎ口は、切れの良さを追求して適量をちゃんと注げる上に液垂れしないよう工夫に工夫を重ねられました。注いで傾きを戻すときに、注ぎ口に残った液体が本体側に吸い込まれるように設計されています。
蓋と本体の合わせ部分にも釉薬を使うことで本体への色移りや匂い移りを防いでいます。長く安心して使うことができて、ずっと美しい。東屋らしい醤油さしです。
米びつ
お米の収納に悩んでいるなら、見せる収納としても素敵な米びつをおすすめしたいです。
東屋の米びつは桐でできています。桐には防腐・防虫効果があり、繊維が多孔質なのでとても軽いため調湿にも優れています。高温多湿と直射日光を避けて風通しのよい冷暗所に設置することで一年中お米を保管できますよ。
釘や金具を一切使わない構造です。上蓋をまるごと取り外せるので、お米の出し入れもかんたんでお手入れもしやすくなっています。付属の一合枡でお米を測ることもできます。
東屋のこだわりとは
『東屋』は、平成9年の創業以来、信頼できる国内の手工業者と協働していくつもの生活のための道具を生み出してきました。
食事をつくるための「もの」。
食卓に並ぶ「もの」。
からだに触れる「もの」。
身のまわりを美しくする「もの」。
東屋が求め、目指すのは、そういう「もの」と「もの」を作り出す仕組みの創造です。
東屋の道具は、これまでも毎日の暮らしにあったものです。そのデザインを現代で使いやすいかたちにアップデートして、これからの長く使い続けられるようにと作られています。
まとめ
東屋の商品に共通するのは、どことなく感じられる上品さです。
それは、伝統的な作り方を継承する確かな作り手と、使い心地やデザインなどをこだわり抜いた東屋独自の視点があるからだと思います。
毎日使うものだからこそ長く大事にしたい。どこか見たことあるようで、同じようなものとは一線を画す東屋の道具を前にすると、そんなことを思います。
東屋が気になった方はこちら
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それでは、最後までご覧いただきましてありがとうございました。皆さまがよい作品と出会えますように!