こんにちは!おうちで楽しむ陶器市 うちる編集局のタキです。
有田焼は、佐賀県有田町を中心にその周りの地域で作られる磁器のこと。明治以降に広く用いられるようになり、現在の日本の食卓にも多く使われているうつわのひとつです。
この記事ではそんな有田焼のうつわをご紹介していきます。
目次
和風でかわいい有田焼のうつわ
伊万里瓢箪
末広がりの形をしている瓢箪は、昔から縁起がいいものとして親しまれていました。特に6個そろった瓢箪は無病息災のお守りになるとも言われています。
そんなひょうたんをかわいらしくあしらったうつわや箸置き。縁起の良い瓢箪だから、誕生日や長寿などお祝い事の席の取皿にもぴったりです。白地に描かれた6つの瓢箪は手書きらしい風合いで温かさも感じる味わいです。
雲つばめ
青みがかった透明感のある地の白と気持ちよさそうに空を飛ぶツバメが絵付けされた雲つばめシリーズ。
雲は手で触って分かるほど立体的に釉薬が盛ってあり、もこもこした質感が表現されています。よく晴れた日や春先に使いたくなる有田焼です。
電子レンジや食洗機で使用できるのも嬉しいポイント。伝統的な魅力を残しつつ、現代の暮らしに自然と寄り添ううつわです。
花枝紋
青を基調とした花の絵付けと深い紫の花びらが大人っぽい、花枝紋シリーズ。つるりとした質感と、安定感のある程よい厚みで安心して使えるうつわです。白の余白も大きいので上品さの中に落ち着きも感じられます。
うつわによって花の描かれ方は違うけれど、どのうつわもどこかオリエンタルな雰囲気で和風ながら中華やエスニック料理も似合いそうです。
一珍りんご
ほんのり色づいた赤や緑のりんごが並ぶうつわたち。ほんのり赤く色づいたりんごの絵柄からはフルーティーで甘い香りが、緑のりんごからはフレッシュでみずみずしい香りが今にも漂ってきそうです。
色鮮やかなりんごは、一珍(いっちん)と呼ばれる泥を細く絞り出して線を描く技法で描かれています。描かれた線はぽこっと盛り上がっているので、うつわそれぞれに表情があるように感じられます。
M’s呉服店
絵付けされた柄がキュートな着物型の銘々皿。まるで本物の着物がミニサイズになったみたいなうつわは華やかな柄も見事に再現されてるので、ミニチュア好きの心もくすぐる一枚です。
黄色い花と呉須染の葉、大輪の牡丹の花、さわやかなレモンとオリーブなど、柄も豊富に揃っています。お気に入りの着物や浴衣に合わせた一枚を選んでみてもいいかもしれません。
和洋折衷でかわいい有田焼のうつわ
木瓜
春の訪れを告げる、可憐なミモザ柄が美しい木瓜皿。藍色で描かれた葉と黄色の花のバランスもよく、品よくかわいらしい魅力を感じます。伝統的な有田焼の魅力を残しつつ、現代の暮らしにそっと寄り添う佇まいです。
立ちあっがったリムの部分が特徴的で、シンプルながらも存在感が光ります。
サイズ違いや色違いもあるので、一緒に揃えても豊かな食卓になりそうです。
矢羽根丸紋
藍と金彩によってほどこされた、遊び心あふれる絵付けが印象的。まるでおとぎ話に出てくるようなポットのうつわは、ほっとしたいティータイムに使いたくなります。上品な金彩づかいなのでゴージャスになりすぎず、普段のテーブルにも馴染む一枚です。
ポットのうつわといっしょにティーカップ型のプレートを合わせたら、いっそう華やかな午後が楽しめそうです。
古染連七宝
古美術を彷彿とさせる、優美な佇まいのうつわです。グレーの釉薬に深みのある呉須で描かれた古染による絵付け。錆によって仕上げられた縁はうつわ全体を引き締めます。
艶のないマットな肌触りで、適度に重厚な雰囲気があるのでお客さまのもてなしにもぴったり。上から見ても横から見ても、こだわり抜かれた美しいフォルムにうっとりしてしまいます。
呉須葉釉花
つるりとした白磁に釉薬によって絵付けされた色彩豊かな花。有田焼の伝統的な魅力を残しつつ、現代の暮らしにそっと寄り添ううつわです。
花の色は青と黄色、2種類あります。青の花は大人っぽく、シンプルにまとまる一枚に。黄色の花には可憐さが加わり、明るさや春っぽさを感じます。もちろん2色揃えてもとってもキュート。和食や和菓子から洋食やスーツまで幅広く使えます。
シンプルでかわいい有田焼のうつわ
シャーベットグレー
シンプルでやわらかいフォルムの皓洋窯のうつわ。シャーベットグレーは暗すぎない色とマットな質感で上品さを感じる、使う人の性別も年齢も問わないやさしい雰囲気のうつわです。
色はよく見るとひとつひとつ異なり、青っぽく結晶化しているところも見られます。渕の黄みがかった部分の濃淡もそれぞれで、複数枚揃えても一枚一枚に愛着を感じます。
デザートにもメインにも使える雰囲気だから、つい揃えたくなってしまうシリーズです。
オリーブ
シャーベットグレーと色違いのオリーブシリーズ。つやが美しく深い緑は凛とした美しさを感じます。釉だまりができたところは色がより深く、縁は少し淡く見えるのでうつわの表情が見えるのも愛しく思えるポイント。思わず触れたくなるような、つるりとした滑らかな肌も魅力のひとつです。
深すぎない色味なので、どんなお料理も上品に引き締めてくれます。メインからデザートまで、こちらも幅広くシリーズで揃えたくなるうつわです。
LEAVES
有田焼らしい透明感あるつるつるの白地に、染付で描かれた柔らかな藍色の葉模様。緻密ながらも、手仕事ならではのゆるりとした愛らしさに溢れたうつわです。透明感のあるやや青みを帯びた白地やつるつる肌触りは有田焼の魅力のひとつ。有田焼の伝統と現代っぽいデザインを存分に楽しめます。
しのぎの凹凸により僅かに見える色の濃淡がうつわに表情を与えていて、生活空間へ自然にとけこみ、どこか「ほっと」気持ちが和む1枚です。
染付サビ花つなぎ
一つ前のLEAVESと柄違いの染付サビ花つなぎは、柔らかく描かれた大きな藍色の花模様が印象的。伝統的な有田焼らしさを踏襲しながら、北欧食器のような洗練された雰囲気を感じます。
しのぎ部分の凹凸による釉薬の表情が一枚一枚への愛着をプラスするうつわです。
使い勝手の良い7寸と5寸のサイズ違いで揃えたり、一つ前の『LEAVES』と合わせ揃えても雰囲気がぴったりです。
染付
北欧食器を思わせる、シンプルだけど大胆な絵柄が魅力的なうつわ。大きな丸が並んだ柄が印象的などこかポップで可愛らしい細長皿です。
個々で違った表情を覗かせるフォルムは、手びねりによって形成されており、温かみを感じさせます。つるつる、すべすべとした肌触りが心地よく、丈夫で毎日気兼ねなく楽しめますよ。
近年増えている有田焼ブランド
1616 / Arita Japan
江戸時代から窯焼きの仕事に従事してきた歴史を持つ百田陶園が2012年に始めたブランド、1616 / Arita Japan。ヨーロッパを中心に18カ国へも展開している人気のブランドです。
有田焼の伝統を踏襲しながらもこれまでとは違うデザインのアプローチを試みていて、新しい有田焼の一面を感じます。シンプルで現代の暮らしに馴染むうつわが多く揃っています。
パレスホテル東京内に旗艦店があり、ブランドの全シリーズを手にとって見ることができます。
2016/
2016/は有田焼発祥から400年を記念してつくられたブランドです。国内外のデザイナー16組によって、記念の年である2016年に向けて開発が進められました。
シリーズは2つあり、ひとつは「スタンダード」。有田焼を広く発信することを目指して、価格を抑えながらも有田焼の良さを感じるシリーズです。
もうひとつは「エディション」と呼ばれ、有田焼が培ってきた技術がふんだんに使われた重厚でコレクションしたくなるシリーズ。
スタイリッシュでモダンなデザインの2016/は、これまでの有田焼の伝統を踏まえながら新たしい境地へ挑戦する有田焼の力強さを感じます。
KIHARA
KIHARAを展開する株式会社キハラは有田焼や波佐見焼の産地商社です。400年以上続く技術を新しい世代につなぐべく、伝統に囚われすぎずに時代の流れやあらゆるニーズに合う商品を作っているブランドが『KIHARA』なのです。
国内外の有名なアートディレクターとも手を組み、有田焼の伝統と現代のデザイン、そして暮らしにフィットするうつわを作っています。
また、東京の奥渋谷エリアである富ヶ谷にオフィス兼ギャラリーがあるので、お近くによった際は覗いてみてはいかがでしょうか。
ARITA PORCELAIN LAB
ARITA PORCELAIN LABは、1804年に創業した有田焼の窯元「弥左ヱ門窯」のブランドです。“Nippon” Modern Luxuryをコンセプトに、モダンなデザインでテーブルを彩ります。
使い勝手の良さはもちろん、上品で贅沢なデザインを兼ね備えたアイテムが作られています。中でも七代目弥左エ門による日本の四季を表現したジャパンシリーズは代表作のひとつ。有田焼の伝統的な様式をそのままに、多彩な色彩と質感、モダンな配色で人々の心をひきつけます。
有田焼って?
有田焼とは、佐賀県有田町とその周辺地域で製造される磁器のこと。
17世紀のはじめに有田町で原料となる陶石が見つかったことから、磁器が作られ始めたと言われています。それは日本で初めて作られた磁器とも言われていて、それから400年以上食器や工芸品として広く親しまれてきました。
透明感のある白い白磁と呉須と呼ばれる藍色の顔料で描かれた絵付けや華やかな赤絵が特徴です。その華やかさから17世紀の中頃からは美術品として、そして献上物としても人気を博しました。
豪華絢爛な有田焼は歴史の中でも日本の工芸品として世界に輸出されることもあり、ヨーロッパの貴族からも絶賛を浴びたと言われています。
また、丈夫で耐久性が高いことから昨今は日用品としても親しまれています。
波佐見焼と有田焼と伊万里焼の違い
実は有田焼と伊万里焼は同じものです。17世紀の後半に有田焼を輸出するときに伊万里にある港から発送していたことで伊万里焼とも呼ばれるようになったと言われています。
現在は佐賀県有田町で作られるものを『有田焼』、佐賀県伊万里市で作られているものを『伊万里焼』と大きく分けていますが、もともとは同じ製法で作られた焼き物なのです。
一方、波佐見焼と有田焼の違いは、大きく分けると作られた土地です。波佐見焼も有田焼も17世紀に朝鮮半島から渡った陶工たちが作り始めた焼き物ですが、波佐見焼は日用品として有田焼は美術品として親しまれてきた歴史があります。
有田陶器市について
有田陶器市は、毎年ゴールデンウィーク頃に佐賀県の有田町で開催されています。見きれないほどの作品が出展されていて、毎年120万人の方が足を運ぶ大人気のイベントです。
2020年はオンラインでの開催となりましたが、オフラインと変わらず多くの人が足を運びました。
『有田陶器市』
■公式サイト:http://www.arita-toukiichi.or.jp/
■開催時期:ゴールデンウィークごろ
有田陶器市のことについては、下記の記事にまとめています。
当日は大混雑が予想されますので、早朝に行って並ぶなどして万全の状態で臨んでください。
また、同時期には近くで、波佐見陶器まつりも開催されているため、両方の陶器市を回るツアーなども開催されています。余裕のある方はそちらまで足を伸ばすのもいいかもしれません。
お買い物はアリタセラで
陶器市シーズン以外に有田焼のお買い物を楽しむなら、有田焼専門店が軒を連ねるエリア『アリタセラ / Arita Será』がおすすめ。
有田駅から車で5分ほどの小高い丘の上にあり、約2万坪もの敷地に日用食器、業務用食器、美術品などを扱う22の店舗があります。ギャラリーやホテル、レストランもあり有田焼をたっぷり楽しめます。
営業時間などの詳しい情報は公式サイトやInstagramをご確認ください。
https://www.arita.gr.jp/
https://www.instagram.com/arita.sera/
おわりに
本記事で紹介した有田焼のアイテムは、下記より一覧で見ることができます。
たくさんある有田焼の中からお気に入りを見つけてみてくださいね。
それでは、最後までご覧いただきましてありがとうございました。皆さまがよい作品と出会えますように!