こんにちは!おうちで楽しむ陶器市 うちる編集局のタキです。
美濃焼は、岐阜県の東濃地方の一部地域で製作される陶磁器の総称です。「特徴がないことが特徴」とも言われる美濃焼は、意識して手に取らずとも食卓に上がっていることも多いわたしたちの生活に馴染んでいる焼きものです。
今回はそんな美濃焼が一堂に会すイベント『土岐美濃焼まつり』についてご紹介します。
目次
土岐美濃焼まつりとは?
土岐美濃焼まつり概要
土岐美濃焼まつりは、岐阜県土岐市で毎年ゴールデンウィークに開催される美濃焼の陶器市です。佐賀県の有田陶器市、愛知県のせともの祭と並ぶ日本三大陶器まつりの一つとされています。
出展者数は300を超え、来場者数は毎年30万人の大規模な陶器市です。
2024年の開催については2024年5月3日(金)~5日(日)に予定されています。最新情報は公式サイトにてご確認ください。
美濃焼とは
美濃焼(みのやき)とは、岐阜県の東濃地方の一部(土岐市、多治見市、瑞浪市、可児市)の地域で製作される陶磁器の総称です。
桃山時代にそれまでになかった自由な発想で登場し、「美濃桃山陶」とも呼ばれます。
中でも武将でもあり茶人でもあった古田織部(1543年~1615年)が創意工夫を凝らした「織部好み」は有名です。
土岐美濃焼まつりの魅力
岐阜県土岐市は陶磁器生産日本一とも言われています。そんな土地で開催される土岐美濃焼まつりは種類、品数が豊富です。
さらにこの催しは年に一度の美濃焼の卸商社たちによる廉売市(セール)ですので、質のいい陶器をお値打ち価格で買うことができます。
*卸商社・窯元のテント(約90店)
主にお買い得品、お値打ち品が並びます。
*卸商社の倉庫を開放した蔵出し市(約30店)
織部ヒルズショップや卸商社の倉庫を開放し格安販売します。激安品、袋詰め放題、業務用商品などもあり、とても人気です。
*全国から集まった作家たちのテント(約160店)
作家さんたちのテントでは、うつわだけでなく木や革、ガラス、布を使った製品の他にハンドメイド雑貨、アクセサリーなども並びます。
若手作家の個性的かつ斬新な陶器から伝統的な美濃焼まで、本当に幅広いジャンルを一度に見ることができるのも土岐美濃焼まつりの魅力です。
卸しやメーカーなどの大テント市は会場北東の(上記地図の)赤い通り、作家さんなどのクラフト展は会場西側と南側の青い通りで、それぞれテントが出展されています。
土岐美濃焼まつりは、陶磁器の販売だけでなく、スタンプラリーや陶芸体験コーナー、大道芸人のパフォーマンスなどもあり、お買い物だけでなくイベントとしても楽しめます。
飲食・屋台広場でのグルメテントも豊富にあり、ランチからデザートまで味覚をも楽しめますよ。
土岐美濃焼まつりの楽しみ方、回り方
とにかくお店も商品も豊富でエリアも広いので、まずは入り口で会場見取り図がついたチラシをもらっておきましょう。
陶器巡りに疲れたら美味しいグルメでお腹も満たし、またさらに巡る。丸一日、めいっぱい楽しむことができます。
実際に作陶されている作家さんとその場でお話しできるのも楽しいところです。
タイミングを見てお話ができたら、作品が生まれるきっかけになった楽しいエピソードも聞けるかもしれません。
美濃焼まつりではトイレや授乳室も完備されています。屋台が集まる場所のすぐ隣の「織部ヒルズ総合案内所」の建物内に完備されています。
土岐美濃焼まつり応用編
イベント初日はいいものを買いたいと意気込む人がたくさん来場します。掘り出し物から売れていってしまうので、お買い物メインな方は初日狙いがおすすめです。
ただ、最終日は予期せぬお値引きがあるかもしれません。
また、商品が陶磁器なので買った商品をすべて手で持ち歩くのは重くてかさばって大変です。折り畳み式のリュックサック系や、キャリーバッグがあるととても便利です。
会場には郵便局が出張に来ているので、買ったものを自宅へ郵送することも可能です。たくさん購入する予定の方は事前に場所をチェックしておくといいかもしれません。
会場は織部ヒルズ
織部ヒルズは、土岐市北部にある土岐美濃焼卸商業団地です。
陶磁器卸商社が一同に集まり、和食器やどんぶり、植木鉢まで取りそろえる卸しの直売店もあれば、店主こだわりの上質なアイテムを提案するショップまで、豊富な品揃えはまるで陶磁器のデパートのよう。
ギャラリーを併設し作家ものが豊富な喜楽庵・姿月窯さんや、仏製フレグランス商品や陶器、ガラスなど女性好みの商品が中心のナテュール・アヴニュさん、ハチミツを販売し、カフェを隣接させる陶器屋さんLa Fiore・雑貨カフェブロッサムなど、彩り豊かな窯元やメーカーと出会えます。
アクセス、駐車場
土岐美濃焼まつりへ車で行く場合は、下記のコースで行くことができます。
・東海環状自動車道「五斗蒔スマートIC」から車で2分
・中央自動車道「土岐IC」、東海環状道「土岐南多治見IC」から車で約10分
イベント期間中はゴールデンウィークということもあり、混雑や渋滞が予測されますので、その点も考慮しておきましょう。
土岐美濃焼まつりでは、特設駐車場が用意されており、そこから15分おきに会場近くまでの無料シャトルバスが出ています。
満車で駐車できないことを避けるために早めの到着をおすすめします。
土岐美濃焼まつりで出会える作家たち
ここからは、土岐美濃焼まつりに出展している作家さんをご紹介します。(最新情報は公式サイトをご確認ください。)
伊藤豊(瑞浪市)
伊藤さんは美濃焼の産地である岐阜県瑞浪市で活躍する作家さんです。
ろくろで形成したあと、「しのぎ」や「ブロック」、判押しのような「花紋」といった模様をひとつひとつ手作業で施しています。
伊藤豊さんの作品はこちらからのご覧いただけます。
伊藤豊 商品一覧ページ
S U I Y O
西洋絵画をベースにした模様が美しい、S U I Y Oさんのうつわ。
陽刻シリーズは、手描きの絵をそのまま彫った石膏型から生まれています。
透き通ったような深緑色は味わいがあり、釉だまりによって生まれる濃淡もまた、魅力的です。
S U I Y Oさんのさんのうつわはこちらからもご覧いただけます。
S U I Y O 商品一覧ページ
南窯
美濃焼の一大産地、岐阜県土岐市駄知町で創業50年を迎える南窯は、主に、織部・志野・粉引・赤絵・安南風呉須絵等の手づくりのうつわを制作する南窯さん。
落ち着いた雰囲気の中にある、一筆一筆丁寧に描かれた絵付けのかわいらしさが魅力。
伝統を感じさせてくれる作品でありながら、現代の暮らしに似合ったモダンで使いやすいうつわです。
南窯さんのうつわはこちらからご覧いただけます。
南窯 一覧ページ
松尾直樹
樹皮や土壁のような不思議な肌触りのうつわや、パッと目を引く黄色の釉薬のうつわなど。
シンプルで使いやすいフォルムに、個性が光ります。
「無機質の中にある、見えない温もりみたいなモノを表現できれば」
という思いで作陶されている作家さんです。
松尾直樹さんのうつわはこちらからもご覧いただけます。
松尾直樹 一覧ページ
石堂陶芸
水玉模様や青色がキャッチ―な石堂陶芸さん。
使いやすい、持ちやすい、軽いをうつわ造りを考え、その中に焼き物の楽しさや自分らしさをデザインし楽しみながら作陶されています。
食卓にアクセントをプラスできるうつわが並びます。
石堂陶芸さんのうつわはこちらからもご覧いただけます。
石堂陶芸 一覧ページ
堂本正樹
使うたび、色んな表情が現われるようなうつわを作られている堂本さん。
ヘリンボーン柄や水彩画のような淡い水色のうつわが特徴的です。
優しげな表情で食卓に穏やかな雰囲気をあたえてくれますよ。
堂本正樹さんのうつわはこちらからもご覧いただけます。
堂本正樹 一覧ページ
KANEAKI SAKAI POTTERY
KANEAKI SAKAI POTTERYさんは、「自分たちが本当に欲しいと思えるうつわを届けたい」という思いのもと、生活に美しさがなじみ、いつもの食卓が少し“特別”になるような、使っていて心地よく、ずっと長く使っていきたくなる、そんなうつわを作陶されています。
KANEAKI SAKAI POTTERYさんのうつわはこちらからもご覧いただけます。
KANEAKI SAKAI POTTERY 商品一覧ページ
中西申幸(徳島・光萌窯)
愛らしい中西さんの鳥遊戯画シリーズは、江戸時代にベトナムから渡来し安南手(多くの茶人に好まれた焼き物)に描かれていた小鳥から得たインスピレーションが形になったものなのだとか。
中国では小鳥や鶴は縁起がいい動物とされています。その小鳥が躍動的で可愛らしく、スズメをモチーフに描くことを思いついたそうです。
どことなくオリエンタルな雰囲気さえ感じさせてくれるその個性的な作品は、気取らず普段の食卓でも使え、盛り付ける料理もまた愛らしく豊かな表情を見せてくれます。
最後に
うつわも然り、食も然り。
生活という日常に自分なりの美やお気に入りを取り入れることは、わたしたちの日常をより豊かに彩ってくれます。
暮らしを丁寧に紡ぐその彩りは、日々の慌ただしさに追われがちなわたしたちの心を自然とホッとさせてくれると感じています。
お気に入りの美しい陶器と出合いに、そして作家たちのものづくりへの情熱に触れに、土岐美濃焼まつりに一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
もし、すぐに土岐美濃焼まつりに足を運べなかったり、もっと美濃焼のうつわを見てみかったりするときには、ぜひ当店で取り扱う美濃焼のうつわもご覧になってください。
また、紹介した和食器だけでなくさまざまなうつわを販売していますので、よろしければ『おうちで楽しむ陶器市 うちる』にも足を運んでみてください。
お気に入りの美濃焼やうつわを見つけて、日常のテーブルシーンをさらに楽しめますように!