
今回は、スウェーデンの人気ブランド「ロールストランド」について解説します。

ロールストランドは、北欧らしいシンプルモダンなものから、和食器のような味わいのあるデザインのものまで、さまざまなシリーズがあるのが魅力です。
この記事を参考に、皆さんもロールストランドのうつわを使ってみませんか。
おすすめの食器を先に見たい!という方は、こちらからご覧いただけます。
目次
ロールストランドとは

ロールストランド(Rörstrand)は、1726年スウェーデンで創業。
ヨーロッパでは、マイセンに次ぐ2番目に古い歴史を持つ陶磁器ブランドです。
スウェーデン王室御用達の窯であり、かつてはノーベル賞授賞式の晩餐会で「ノーベル」シリーズ(現在は製造中止)が使用されるなど、格式の高さで知られています。
特徴は、北欧らしい色使いや、花などの自然をモチーフにした繊細かつ温かみのあるデザイン。
18世紀には優れた装飾性と品質の高さでヨーロッパ中に人気を博し、19世紀後半には芸術性あふれる製品で国際的な賞をいくつも受賞。
現在も、ブルーの花柄の「モナミ」をはじめとするシリーズが国内外で愛されています。
代表的なシリーズ
MON AMIE (モナミ)

ロールストランドのアイコン的存在のモナミ。
このシリーズは、1950年~1960年代のロールストランドを代表する人気女性デザイナー・マリアンヌ・ウェストマンが手がけたものです。
描かれているブルーの花は、雨の日の夏至の夜にスケッチしたローズマリー(白い花)からインスピレーションを得たと言われています。
一度は廃盤となりましたが、2008年にマリアンヌ・ウェストマンの80歳の誕生日を記念して復刻。
ちなみに、モナミとは、フランス語で「友達・恋人」という意味。
大切な人との食卓を彩る食器として、今なお親しまれています。
おすすめアイテム
ロールストランド モナミ プレート 24cm 磁器 Rorstrand MON AMIE

リムに沿うように描かれた花柄は、まるでリースのよう。
メインのおかずやトースト、フルーツタルトなどを盛り付けるだけで、絵になるうつわです。
少し深さがあるので、ソースを使ったパスタやカレー、スープなど幅広いメニューに大活躍します。
また、パンとおかずなど、複数の食材を盛り付けてワンプレートにも使えます。
さらに、染付やアラビアの24h トゥオキオなど、ほかのうつわと合わせやすいのも特徴です。
マルチに使える大皿は、定番プレートとして長く愛用できますよ。
テーブルコーディネートのお手本

白磁に鮮やかなブルーが印象的なモナミは、日本の染付との相性も抜群です。
写真では、染付の豆皿と合わせています。
豆皿には赤い花が手描きされており、いいアクセントになっています。
手持ちの和食器と一緒に使うことで、さまざまなコーディネートが楽しめますよ。
ロールストランド モナミ ボウル 0.3L 磁器 Rorstrand MON AMIE

外側の下半分と内側の上部に、ぐるりとお花が描かれたボウルです。
直径約12.5cm、容量約0.3L(300ml)の使いやすいサイズ。
サラダやヨーグルト、デザート用のミニボウルやスープボウルなどマルチに活躍します。
和食器のような味わいのあるデザインなので、小鉢として煮物を盛り付けても素敵です。
麺類やお鍋などの取り鉢にもいいですね。
また、電子レンジ・食洗機対応なのも魅力。
1つあると便利なボウルは、複数個セットでプレゼントにも喜ばれますよ。
テーブルコーディネートのお手本

エデンのプレートとマグカップとあわせたテーブルコーディネートです。
「ブルー」が共通しているため、柄物同士であわせてもまとまりがあります。
同様にアラビアの24h アベック、24h トゥオキオシリーズと一緒にコーディネートするのも素敵。
日常にもおもてなしにも対応できる、モダンな食卓になりますよ。
EDEN (エデン)

1960年から1972年に製造されていたEdenは、ドイツ人の陶芸家シグリッド・リッチャーが手がけました。
その名の通りエデンの園でアダムとイブが食べてしまった禁断の果実であるリンゴがモチーフです。
手描きのような濃淡と洗練されたモダンなデザインが特徴です。
色使いがシンプルなので、さまざまなインテリアや空間に調和します。
2016年にロールストランド設立290年周年を記念し復刻。
ファン投票で選ばれたデザインの商品が、数量限定で販売されました。
おすすめアイテム
ロールストランド エデン プレート 23cm 磁器 Rorstrand Eden

北欧のテキスタイルを思わせるモダンなデザインのプレート。
りんごのモチーフを囲むように葉っぱが描かれており、絵皿として飾っても素敵です。
ステーキや魚のソテー、チーズケーキやサラダなど、余白を持って盛り付けるだけでアートのよう。
このうつわを使うだけで、日々の食事がより楽しみになりますね。

少し深さがあり、スタッキングしやすく、家族分そろえてもコンパクトに収納可能。
電子レンジ・食洗機にも対応しているのも嬉しいポイント。
また、手描きのような味わいもあり、他の北欧ブランド食器や和食器ともなじみます。
お子さんにもあうデザインなので、家族分おそろいで使うのもいいですよ。
テーブルコーディネートのお手本

無地のネイビーの大皿と一緒に使うコーディネートです。
ややカジュアルなデザインのエデンですが、大皿に重ねることでフォーマルな雰囲気になり、おもてなしにもぴったり。
気軽にまねできるので、ぜひ試してください。
ロールストランド エデン マグ 0.34L 磁器 Rorstrand Eden

大胆に描かれた、りんごのモチーフが目を引くマグカップです。
絵本の挿絵のような可愛らしさもありながら、テキスタイルのようなモダンなデザインは食卓にあるだけで絵になります。
深さがあるので、コーヒー、紅茶以外にスープカップとしても使えます。
白地にネイビーとグリーンの組み合わせは、和食器のようで、日本茶にもお似合い。

また、持ち手の空間が広めで、手の大きな方にも使いやすいです。
電子レンジに対応しているので、ホットミルクを作るなど、そのまま温められるのもいいですね。
飾っておきたくなるアートのようなマグカップは、食事のおともやリラックスタイムの相棒にちょうど良いですね。
コーヒー好きな方のプレゼントにもぴったりですよ。
テーブルコーディネートのお手本

角皿にマグカップを載せて、軽食を楽しむコーディネート。
角皿の代わりに大皿の上にマグカップを載せてワンプレートにするなど、取り入れやすい活用法ですね。
OSTINDIA (オスティンディア)

1932年に発表された「オスティンディア」シリーズ。
1745年に沈没したスウェーデンの東インド貿易船「イェーテボリ号」。
その船の積荷だった、東洋の陶器片からヒントを得てデザインされました。
スウェーデンでは「世紀の食器」と賞賛され、ベストセラーデザインのひとつとなっています。
ブルーともグレーとも言えるシックな色合いに繊細な花柄は、どこか和食器のよう。
和食やエスニックなどさまざまなメニューに使えます。

オスティンディア フロリス:イッタラ公式HP より引用
また、2012年には、オスティンディアの80周年を記念し「オスティンディア フロリス(Floris)」シリーズが発表されています。
おすすめアイテム
プレート27㎝

中央にブルーの小花が描かれた上品なプレート。
リムの文様は、中華のうつわのようなエスニックな雰囲気があり、洋食だけでなく中華や和食にも使えます。
中央がやや深くなっており、カレーやシチュー、煮込み料理やスープまでこれ1つで対応。
きちんとスタッキングでき、磁器なのでお手入れも簡単!
また、染付や印判など和食器と合わせやすいので、ふだん使いしやすいのも魅力。
日本の食卓で、日常からフォーマルまで使える便利なシリーズです。
テーブルコーディネートのお手本

「オスティンディア」シリーズの他のアイテムと組み合わせたコーディネートです。
写真で使用されているのは、グリーンの柄。
そのためグリーンのテーブルクロスとあわせて、統一感を出しています。
また、大皿に中皿やボウルを重ねることで、高さが出て、レストランのような特別感が演出できます。
SWEDISH GRACE (スウェディッシュグレース)

イッタラ公式HPより引用
デザイナーLouiseAdelborg(ルイーズ・エーデルボーグ)が、夏風に揺れるたわわに実った麦の穂をモチーフにしたデザインです
1930年のストックホルム博覧会で発表されたタイムレスな人気シリーズです。
広めのリムに施された麦のレリーフがアクセントになり、どんな料理も美しく見せてくれます。古さを感じさせないデザインは、今なお愛されています。
おすすめアイテム
プレート 17 cm オートミール

イッタラ公式HPより引用
シンプルで無駄のないデザインのプレートです。
リムのラインがアクセントにきいており、食材を美しく引き立たせてくれます。
また、白とベージュの中間のような絶妙なカラー。
カラフルなサラダやケーキなどどんなメニューも鮮やかに映えます。
サイズは使い勝手の良い17㎝。
1人分のメインディッシュ用やパン皿、デザート皿、取り皿として大活躍します。
和食との相性も良く、つい手に取りたくなるうつわは、サイズ違いでそろえるのもいいですね。
テーブルコーディネートのお手本

同じスウェディッシュグレースシリーズの色違いや他のアイテムと組み合わせたコーディネート。
特に面白いのは、伏せたボウルにプレートをのせてスナック用のスタンドにしていること。
盛り付ける食材を変えれば、アフタヌーンティーのコーディネートになるなど、色々応用できそうですね。
ロールストランドの歴史
ロールストランドの歴史は以下のとおりです。
ドイツ人陶磁器職人ヨハン・ウルフが、スウェーデンの*重商主義政策の一環として、王室御用達の窯として設立。
*国が金銀(富)を増やすために、輸出を増やして輸入を厳しく制限する経済政策
18世紀には、装飾性に富んだ高品質な製品で評価を得て、スウェーデンの経済再建を担う役割も果たしました。
1873年には、フィンランドに進出、子会社としてアラビアが設立されます。
第二次世界大戦後は、「芸術家を産業現場に」という政策のもと、多くのデザイナーが工場に招き入れられ、機能性と芸術性が融合した「スカンジナビア・デザイン」の発展を牽引する存在となります。
2001年にアラビアやイッタラ同様、フィンランドのフィスカースグループの傘下に入ります。
2005年に、スウェーデン国内の製造拠点がすべて閉鎖しましたが、その製品はヴィンテージアイテムとしていまなお人気を博しています。
活躍したデザイナー
ロールストランドでは、以下の方を含む多くの著名なデザイナーが活躍しました。

Louise Adelborg(ルイーズ・エーデルボルグ):1885-1971
美術学校卒業後1916年にロールストランドに入社。
50年以上在籍し、 陶器以外にも、テキスタイルのデザインも手がけました。
彼女の代表作「Swedish Grace」は、1930年にストックホルム博覧会に出品。
以降80年以上、ロールストランドの代表作として愛されています。
Marianne Westman(マリアンヌ・ウェストマン):1928- 2017
スウェーデン国立芸術工芸デザイン大学でセラミックスを学んだ後、1950年にロールストランド社にデザイナーとして入社。
1971年まで在籍し、モナミ、ピックニックなどの人気シリーズを世に送り出しました。
一時期は、彼女が手がけた商品が売上のほぼ半分を占めるほどに。
従業員からは「陶磁器のお母さん」と呼ばれていたそうです。
退職後の2008年には、モナミの古典的な花模様の復刻に協力。
今なお国内外にファンがいるベストセラーとなっています。
Nils Emil Lundstrom(ニルス・エミル・ルンドストレム):1865-1960
ストックホルムの美術アカデミーなどで学んだ後、1896年にロールストランドに入社。
1935年まで「オスティンディア」をはじめとする食器のデザインなどを手がけます。
なかでも芸術的な装飾の花瓶が有名で、国際的な展示会で脚光を浴びました。
彼の作品はスウェーデン国立美術デザイン博物館に展示されています。
まとめ

300年近い歴史を持ち、ノーベル賞の晩餐会にも彩りを添えるロールストランド。
その格式あるモダンなデザインのうつわは、和食器との相性も良く、ふだんの食卓を格上げしてくれます。
また、飾っても美しいのでインテリアとして楽しむのもおすすめです。
皆さんも暮らしにロールストランドのうつわを取り入れてみませんか。
いつもの食事風景やインテリアが変わることで、おうち時間がより楽しくなりますよ。
よろしければ下記リンクからご覧ください。
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