こんにちは、うちるのタキです。
最近の民藝ブームで、じわじわと、確実に人気が高まっているのが小鹿田焼・小石原焼です。
ライフスタイルショップに並んでいたり、うつわ好きや料理好きの方のインスタグラムにも素敵なコーディネートで登場しているのをよく見かけると思います。

今回、そんな小鹿田焼や小石原焼について
1.簡単な特徴
2.オススメの商品・窯元、
3.民藝ブームや小鹿田焼・小石原焼の歴史
の大きく3つにわけてご紹介したいと思います。
商品を先に見たい方はこちらからどうぞ。
目次
迷ったらこれ!うちるオススメの小石原焼
近年雑貨店でもよく見かける、注目の小石原焼。
初めて買うならどれがいいの?と悩む方におすすめ商品を紹介します。

6寸皿 トビカンナ 陶器 小石原焼


・ていねいな手仕事
・どんなメニューにも合うデザイン
・スタッキングしやすいフォルム
ていねいな手仕事
表面に施された、小石原焼の特徴的な技法である「飛び鉋」による細かな線。
どれも1つとして同じ長さや太さのものはなく、手仕事ならではの一期一会の味わいが魅力です。
どんなメニューにも合うデザイン
白と茶色という色使いと、手仕事による模様はとてもシンプル。
装飾性がありながらも、控えめなデザインのうつわは食材の美しさを引き立たせてくれます。
スタッキングしやすいフォルム
やや厚みがありますが、スタッキングしやすいフォルム。家族分そろえてもあまり場所をとりません。
小鹿田焼・小石原焼とは?

小鹿田焼
小鹿田焼は、大分県日田市(ひたし)の山あいで300年間、受け継がれてきた伝統的な焼き物です。
技術の伝承は、なんと親から子へと受け継がれる、一子相伝の世襲制です。
現在の窯元は開窯時からの流れを汲んだ9軒のみ。
時代とともにほかの産地で機械化が進む中、小鹿田焼では、すぐ近くにある山の土を原料にし、川の力を借りて、家族全員が参加しながら、すべての工程をこつこつと手作業のみで行っています。
モダンで面白い幾何学模様が特徴で、手にすると土や手作りならではのぽってりした風合いや温かみが感じられます。

手作りだからこそひとつとして同じものがないというのも、小鹿田焼を選ぶ楽しみのひとつ。
手に馴染む温かみや、暮らしに自然に溶け込む魅力があるのは、長く続いてきた歴史と伝統があるからなんですね。
小石原焼

小鹿田焼のルーツでもあり、「兄弟窯」と呼ばれているのが小石原焼(こいしわらやき)です。
福岡県朝倉郡東峰村(元小石原村)で小鹿田焼よりも少し早い時期に開窯し、約350年間続いてきました。
現在の窯元は50以上。
小鹿田焼と同じく「トビカンナ」や「ハケメ」などの伝統技術は確実に守りながらも、より現代の食生活に合うデザインを取り入れています。
窯元ごとに独自の思いを持って提案する、進化系の小石原焼は、それぞれのライフスタイルに合う一枚に出会えそうです。
リズミカルでモダンな幾何学模様
もっとも特徴的なもののひとつが、うつわに刻まれたリズミカルで面白い幾何学模様です。
トビカンナ

ハケメ

この模様は、「トビカンナ」や「ハケメ」と呼ばれる伝統的な装飾技法です。
陶工がカンナや刷毛を使って、ひとつひとつ丁寧に描いたもの。
シンプルながらも、これらの模様が何気ない料理を絶妙に引き立てます。

独特な存在感を生かしてメインのお皿としても、また、素朴で落ち着いた色合いを生かして脇役としても使えます。ほかのうつわとの相性も抜群。
手作業ならではの、味わい深い表情を楽しむ醍醐味も。
とにかく使い勝手がいいので、登場頻度が上がりますよ。
おすすめの小鹿田焼・小石原焼
ここからは、小鹿田焼や小石原焼のなかから、オススメの商品をいくつかご紹介したいと思います。
小鹿田焼と小石原焼、似た印象がありますが、このように見てみるとけっこう違いがあるのではないでしょうか。
暮らしに溶け込む小鹿田焼
7寸皿 トビカンナ

多用途で使える7寸皿は、一日の中でも出番の多いサイズ。
野菜炒めをササッと盛りつけたり、2~3人分のコロッケを山盛りにしたり。
縁が少し立ち上がっているのでビーフシチューやカレーなど、多少汁気があるものでも安心です。
4寸飯碗 トビカンナ

ちょうど食べきりサイズの4寸飯碗。
炊きたて白米はもちろん、やわらかな白地の表情に合わせてグリンピースご飯なども似合いますね。
口径が大きく、少し浅めなタイプのごはん茶碗です。
6寸皿 ハケメ

「ハケメ」の装飾が、不思議な味わいを出す6寸皿。
多用途で使える大きさで、一日の中でも出番の多いはず。
ぷりぷりエビが入った野菜の中華炒めを、お昼ごはんのおかずに。
夕食には、大葉を敷いて蒸し鶏のサラダをのせても絵になります。
表情豊かな小石原焼
丸丼 トビカンナ・櫛目

「トビカンナ」の点々模様と、波打つような櫛目が印象的な丸丼です。
今日は手軽に、丼ものにしよう。
ぽってり丸い形の丼によそれば、たちまち食欲が湧いてきそう。
5寸皿 トビカンナ

「トビカンナ」の点々模様と、2色の釉薬によって描かれた模様が印象的な5寸皿です。
ロールパンやおにぎりなどの軽食をちょこんとのせて。
おやつの時間には、和菓子やシュークリームなんかをのせるだけでも絵になりますよ。
4寸皿 トビカンナ

和洋中、エスニックなど、幅広いジャンルのお料理に不思議とマッチする魅惑のトビカンナ模様。
お饅頭やクッキーをのせておやつ皿としても重宝するサイズです。
縁が少し立ち上がっているので、汁気のある副菜にも重宝しますよ。
小鹿田焼・小石原焼で人気の窯元
森山寛山窯

小石原焼の伝統技法である飛び鉋(とびかんな)、刷毛目(はけめ)、流し掛けで表現される独特の模様が特徴的なうつわたち。
伝統を受け継ぎながらもどこかモダンな雰囲気で、アートのような美しさがあります。
森山寛山窯さんのうつわはこちらからご覧いただけます。
マルダイ窯 太田万弥

新しい形を作っては家族で使い、改良して出来上がるこだわりの詰まったうつわ達。
代々続く釉薬作りや技法を守りながら、見て楽しい、使って嬉しい、贈って喜ばれるうつわを作陶されています。
素朴な雰囲気で料理を引き立て、毎日の食卓に自然と溶け込んでくれます。
マルダイ窯 太田万弥さんのうつわはこちらからご覧いただけます。
翁明窯元(おうめいかまもと)

「使うほどに愛着がわき、日常の暮らしがもっと楽しくなるように」。
鬼丸翁明さんと息子の尚幸さんが、そんな思いで日々、うつわ作りをされています。
小石原の土を使い、受け継がれた装飾技法などを大切に守る一方で、ドット模様を加えたり、マットな質感に仕上げるなど、使い手の食卓をイメージした、二人の新しい発想が随所に光ります。
伝統と「いま」の感性、その両方をあわせもった人気のうつわです。
翁明窯元さんのうつわはこちらからご覧いただけます。
圭秀窯

高取焼の良さを生かしながら、遊び心を感じさせるユニークなフォルムが素敵な圭秀窯さん。
鳥やどんぐり、カップなどユニークなモチーフに、ハケメやトビカンナなど、小石原焼の伝統的な模様を施しています。
見て美しい、使って親しみやすい、職人の心がたくさん込められたうつわたちです。
圭秀窯さんのうつわはこちらからご覧いただけます。
まるた窯 太田剛速 小石原焼

刷毛文様や飛び鉋など、伝統的な小石原焼の技法に、三彩模様などかわいらしさをプラスしたうつわを作陶されている、まるた窯さん。
生まれ育った小石原の陶土で「今の食卓を彩るうつわ作り」をされています。
どこか懐かしさを感じながらも、現代の暮らしに自然とマッチしてくれます。
まるた窯 太田剛速さんのうつわはこちらからご覧いただけます。
早川窯元 早川英民

小石原焼の特徴でもある飛び鉋、刷毛目の技を使い、伝統的な柄でありながら、使いやすく、やさしく、穏やかなテーブルウェアの提案の出来るうつわを志して作陶されています。
使い心地と、美しさを両方兼ね備えたうつわです。
早川窯元 早川英民さんのうつわはこちらからご覧いただけます。
やままる窯

伝統技法をちりばめながら、自然をモチーフに、自分らしさを求めて日々作陶しているやままる窯さん。
思わず「かわいい!」と声が出てしまう、どんぐりや鳥をモチーフにした作品が食卓に楽しい雰囲気を運んでくれます。
やままる窯さんのうつわはこちらからご覧いただけます。
蔵人窯元

毎日使ううつわだから、軽く使い勝手の良いうつわを心掛け、小石原焼の飛び鉋、刷毛などの伝統を守りながら常に新しいうつわを作陶されています。
シンプルでありながら、お料理をそっと引き立ててくれるので、つい手に取りたくなる魅力があります。
蔵人窯元さんのうつわはこちらからご覧いただけます。
小石原ポタリー

小石原の10の窯元と、雑誌などで活躍するフードコーディネーター・長尾智子さんがコラボレーションして誕生したブランド。
「料理をおいしくする器」をテーマにしているだけあって、デリスタグラマーにも大人気です。
小鹿田焼・小石原焼の技法

小鹿田焼と小石原焼の代名詞ともいえる伝統的な装飾技法が、「トビカンナ」や「ハケメ」です。
上から見てみるとその柄の面白さや表情がよくわかりますね。
素朴ながらもどんな料理も華やぐのは、このモダンで歴史ある装飾があってこそ。
職人がカンナやハケを使って熟練の技で施します。
トビカンナ

「トビカンナ」は、弾力のある金属製の道具を用いて、連続した刻みを入れていく技法です。
完成はあっという間。
ろくろの上でまわるうつわにカンナを添わせると、シンプルで幾何学的な、不思議な模様がたちまち現れます。

うつわによっては、スタイリッシュな現代的な模様にも見えますね。
ハケメ

「ハケメ」は、白い化粧土をハケで塗っていく技法のことです。
こちらもまた、ろくろにうつわを乗せてまわしながら、ハケをあてて模様を描きます。うつわの中心を軸にすると、まるで菊の花のような上品な模様のできあがり。

ほかにも、波型の曲線を櫛状の道具で描く「櫛描き」、指で素早く描く「指描き」や、釉薬をひしゃくやスポイトに入れて掛けて模様を作る「打ち掛け」や「流し掛け」などの技法も。

単純な連続した模様ながら、窯元によって実にさまざまな表情が生まれるのも面白いですね。
陶工ごとに異なる仕上がりを比べてみると、ますますその魅力にはまりそうです。
小鹿田焼・小石原焼の歴史
小石原焼の歴史
1665年、福岡県で開窯された高取焼の二代目が小石原地区で質の良い陶土をみつけ開窯し、茶陶を中心に焼き始めました。
その後、筑前福岡藩の3代目藩主が肥前藩から伊万里の陶工を招いて磁器の製法を伝え、高取焼の窯と交流することで、現代に続く小石原焼の原型がスタートしたとされています。
明治から昭和の初期までは、共同の登り窯で大型の鉢や皿や甕、すり鉢などの製作を主としており、
バーナード・リーチや柳宗悦、濱田庄司らが訪れ、絶賛したことで脚光を浴びました。
民藝ブームから小石原焼を求めに村へ訪れる人も増え、世襲制だった窯が人材を集めたことで窯元が50以上に増え、伝統技法が現在に引き継がれています。
小鹿田焼の歴史
江戸時代中期の1705年、黒木十兵衛という人物が小鹿田皿山に小石原焼の陶工を招き、登り窯を築造したことが始まりとされています。
そのため、小石原焼と兄弟窯と言われています。
小鹿田焼のルーツは、実は小石原焼だったんですね。

小鹿田焼の伝承方法は、驚くことに親から子へとその技術を伝える「一子相伝」の世襲制。
そのため長い間、集落の外に技術が広がることなく、暮らしに使われるためのうつわたちが、代々続く陶工たちの手で、確かな技術で作られてきました。
現在も窯を構えるのは、300年前からの流れを汲んだ4姓、柳瀬・黒木・坂本・小袋(黒木系)だけです。
ひっそりとした奥深い山里で静かに作られていた小鹿田焼が一躍有名になったのは、昭和6年の柳宗悦(やなぎむねよし)の訪問がきっかけでした。
柳宗悦は、当時ブームとなっていた民藝運動のリーダーです。
民藝運動とは、名もなき職人がつくる暮らしの道具にこそ美しさがあるとして、それらに光を当てた活動のこと。
この里を訪れた柳宗悦は、紀行文で「世界一の民陶」と評し、小鹿田焼を全国に紹介しました。

その後、世界的なイギリス人陶芸家のバーナード・リーチも約3週間滞在。
小鹿田焼の集落や風景を称賛したことで、ますます全国的にその名が知られるようになったのです。
昭和45年には、国の重要無形文化財に指定されました。

小鹿田焼の現在
小鹿田焼が全国的にも貴重な存在といわれるのが、300年前からほぼ変わっていない、機械ではなく手作業で、自然の力を借りて行われる作陶です。
ほかの産地で機械化が次々に進む中、ここではすべての工程が家族総出の手仕事で行われます。

男性が土作りなどの力仕事を、女性は模様付けをするなど、役割分担をしながら作陶してきました。
人手が足りなければ集落内で助け合い、支え合うことは、ごく自然に行われてきたそうです。

そして、原材料も昔ながらの地産地消。
陶土に使うのは、周囲にある土。
それを清流の水を利用して動く唐臼でついて砕きます。
陶工の手でうつわが形づくられ、装飾が施された後、焼成を行うのももちろん機械ではありません。
周囲の山々から調達した薪を使って、伝統的な登り窯で2日半ほど焼きます。
2〜3日後、窯から冷めたうつわが出されると、わたしたちの手元にやってきます。

「ギィーゴトン、ギィーゴトン」。
300年経った今も、集落では当時と変わらない土をつく唐臼の音が鳴り響き、ひとつひとつ丁寧にうつわが作られる様子があちこちに見られます。
この心地よいひびきは、「日本の音100選」にも選ばれました。

変わらないものがある一方で、それぞれの時代に合わせて暮らしに必要なものが作られてきた小鹿田焼。
だからこそ今の食卓でも愛用され続けているんですね。
小鹿田・小石原の陶器市
小鹿田焼と小石原焼の魅力をもっと楽しみたいなら、現地を訪れるのが一番。
ここにしかない陶芸の里の雰囲気を肌で感じることができます。
特に陶器市では、すべての窯元が陶器を直接販売。
集落内にところせましとさまざまなうつわが並びます。

小鹿田焼 民陶祭
小鹿田焼民陶祭は、大分県日田市の山深い場所にある「小鹿田焼」の里で、毎年10月第2週の週末に行われています。
9軒の窯元が、この日のために焼いた作品を工房や軒先、物置などにぎっしりと並べます。
一年間働いた窯に感謝し、小鹿田焼の発展を祈るお祭りだそうです。
開催日:毎年10月の第2土日曜日
場所:小鹿田焼の里(日田市源栄町皿山)
小石原焼 秋の民陶むら祭
村に50件ほどある窯元が一斉に窯開きをし、普段よりも安価で販売されています。
小石原焼伝統産業会館では、新米のおにぎりの販売や絵付け体験などのイベントも開催され、大にぎわいです。
開催日:(中止)2021年10月9日(土)・10日(日)
場所:福岡県東峰村(小石原焼伝統産業会館)
陶器市の楽しみ方
陶器市では、通常価格より安く買うことができたり、アウトレット品などを特別価格で手に入れることができます。
また、普段は公開されていない、うつわができあがるまでの作陶風景をのぞくことができ、その日限りの醍醐味がたくさんあります。
会場をぐるぐるとまわるうち、思いがけない掘り出し物や、いままで知らなかった新たな窯元の魅力と出会うこともできます。
それぞれの窯の個性を手にとって比較しながら、自分だけのお気に入りの一枚を探してみてくださいね。
小鹿田焼・小石原焼のお洒落なテーブルコーディネート

小石原焼の5寸皿を取皿に。
木のうつわややちむんとの合わせ方がとってもオシャレ。
トビカンナは他のうつわとも合わせやすく、テーブルコーディネートがビシっとまとまりますね。

和食器らしいうつわの表情は、和のスイーツが抜群にお似合い。
サツマイモの黄色が引き立って、おやつタイムには手が止まらなくなりそうです。

唐揚げなどの大皿料理をどどっと盛りつけて。
うつわのあたたかな表情が、みんなで囲む食卓に穏やかな時間を運んでくれそうです。
まとめ

大分県の山あいで、約300年間、親から子へと一子相伝で受け継がれてきた小鹿田焼。
その作陶は全国的にも珍しく、現在は9窯が、地産地消で、すべての工程を昔ながらの手作業で行っています。
小鹿田焼のルーツともいわれる福岡県の小石原焼もまた、伝統を守りながらも、現代的なエッセンスが加わり、人気を集めています。
この2つに共通する「トビカンナ」や「ハケメ」といった伝統的な装飾技法は、素朴ながらもモダンな幾何学模様を作り出し、和洋中、エスニックなど、どんな料理にもマッチする不思議な魅力があります。
暮らしに自然と溶け込み、さまざまな料理を引き立てる小鹿田焼・小石原焼を食卓の一枚に加えてみてはいかがでしょうか。
うちるでは、大皿から取皿、茶碗、湯呑、カップ&ソーサーにいたるまで、さまざまな場面で活躍する小鹿田焼・小石原焼を扱っております。
よろしければこちらも合わせてご覧ください。
また、実際にうつり編集局が小石原を訪れた記事はこちらからご覧いただけます。
小石原で「用の美」を肌で感じる窯元巡り【うつわ巡りの旅vol.9】
最後までご覧いただきありがとうございました。皆さまがよい作品と出会えますように!